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Channel: 「ちまちま」のゲーム日記。
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レトロゲーマーへの道~X1をHDMIで表示する-その3

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前回のつづき


残念ながら自分のレベルでは「RGBHVモード」も「コンポーネントモード」でも正常に表示する事が出来そうにありません。

ならば「RGBSの複合同期に賭けるしかねぇ」って事で
今は画像が止まってしまいますが、525LINEをプログラムで指定せずに表示出来ないかの実験に取り掛かります。



●X1Cの簡易複合同期信号で動作テスト「X1C + GBS-8200Ver4.0」 再び!

RGBは簡易アナログ変換、コンデンサ2個、ダイオード(V-SYNC~>H-SYNC)、
V-SYNC入力をストレートで入れた状態からテスト。
この状態では先ほどと同じ、RGBHVはピンク表示、RGBSは止まります。

ここからコンデンサ付けたり外したり、抵抗も付けたり外したりって感じで、色々組み合わせを変えて実験。
そこそこの時間、あーでも無い、こーでも無いとウンウン唸ってた気がします。
もうトライアンドエラーの繰り返しで、どう言う手順で何を使ったのかまったく記憶に御座いませんorz
なので、道中のゴタゴタは省略では無く、ただ単に書けないだけ!!

色々試した結果、ダイオード2個と積層セラミックコンデンサ1個で何とか安定している様です。(少なっ!
どうも抵抗を入れるとダメっぽい?
色々付けすぎてドツボにハマっていた様で、ダイオード自体にある程度の減衰作用がある様なので、そのせいかもしれません。
論理ICで合成する場合は抵抗を入れる事で正常な値になるとかでしょうか?
回路的な事はまだ理解出来るレベルまで到達していないので映ればOKと言う事で。

で、完成した最終回路がこんな感じで、電源不要の空中配線も余裕な感じ。

自分のX1Cで調整しただけなので、他のX1では機種や個体差によって表示されないかもしれません。
それでも、これに近しい回路で流れてでも何となく認識する様になるとは思います。

取りあえずは仮に配線を作って、簡易アナログ変換のVGAケーブルで接続出来る様にしてあります。
   
15ピン端子に直付しても収まりが良いほど簡単な構成。

マッピーが綺麗に映るようになりました。カラーも問題なし。
   


X1C実機 > 自作特殊複合同期 > GBS-8200 Ver4.0 > Logitec17インチ[LCM-T174A/S]
ピンボケですいません。

○31kHzディスプレイにRGBSモードで表示
  
X1C実機 > 自作特殊複合同期 > GBS-8200 Ver4.0 > Logitec17インチ[LCM-T174A/S]

○液晶テレビにHDMI表示
      
X1C実機 > 自作特殊複合同期 > GBS-8200 Ver4.0 > VGA to HDMI >LEDレグザ(RE1)のHDMI入力
ベタ塗りでは無い1ドット空きの場合は縞々が目立ちますね。

○他の31kHzディスプレイで表示
     
X1C実機 > 自作特殊複合同期 > GBS-8200 Ver4.0 > BenQ 22インチワイド(FP222W)
解像度を上げ過ぎたせいかワイドに伸ばし過ぎなのか分かりませんが、文字に切れ目が見えます。
他の方の記事を見ると、もともとこのアプコンは1360×768設定は推奨されていない様です。

  
X1C実機 > 自作特殊複合同期 > GBS-8200 Ver4.0 > 液晶ビエラTV(TH-L26X1)のVGA入力


●その他の動作テスト

○水平ブランキングテスト
まぁ無理だろうなぁと思いつつ、水平ブランキング問題の検証です。
ザナドゥを起動して、色々設定していると青色表示出たしっ!
  
しかし、徐々に画面が白くなっていくので、やはり水平ブランキングが正常な訳ではなさそう。
ん~これアーケード基盤に繋いでいる「わいくんのメカニカルクラブさん」のところで「サイバリオン」が白くなっていくとありました。
Oh!石さんの記事によると「基準電圧が徐々に上がる→相対的に入力電圧が下がって見える」とあるので
何かしらの回路を入れると何とかなるのかもしれませんが、今の自分のレベルでは分かりません。

aitendo製の同系統の基盤が白くならないとの事でしたが、既に販売はされていない模様?
パーツが若干違うのと、ファームウェア?も違うのかもしれませんね。

再設定すると色は元に戻りますが、またスグに白くなります。


○画面分岐テスト
出力にVGA分岐を噛ませて、ディスプレイとHDMI変換で液晶TVにダブル表示も、若干暗くはなりますが概ね良好。


○初期設定では表示出来ないソフト
ここでまさかの伏兵が...
ギャラクシアンを起動してみると、画面が止まる罠...
ロード中は問題ありませんが途中で画面がフリーズしてしまうorz

背景が黒っぽいとダメなのかな?と、その他も試してみましたが、バルーンファイトもハイドライド2も問題なし。
再度、ギャラクシアンでテスト。
普通にスタートするとPCG定義から止まる様なので
アプコンの設定をイジってみて、V Positionを20から19に落とすと普通に表示されました。
20、21、25の3か所だけ止まってしまうので、何かタイミング的なものが合わないのでしょうか。
何だか少し面倒なので、実験回路で何とかならないか試してみましたが無理そうです。
一度設定すると記憶しているので、頻繁にリセットしないなら問題なさそう。

特殊なPCG定義をしていると、設定がズレてフリーズするのかもしれません。
何はともあれ、何とかギャラクシアンも映せる事が分かってホッとしました。



○簡易複合同期信号の謎
この基盤の複合同期のV-SYNCですが、交流成分だけでもそれなりの安定度があるのかもしれません。
V-SYNCからH-SYNCへ合成するダイオードを外しても何故か映りました。
あれ?でもX1から出てる信号はTTLレベル?で0~5Vのはずなのでコンデンサを繋いだ所で信号自体は入らないはず?なんですけどねぇ。
つまり、V-SYNCの信号をH-SYNCに入れると安定するのでは無く
H-SYNCかV-SYNCのノイズを逃がすか平滑化すると安定するって事なんでしょうか?
ひょっとして、RGBSモードって垂直同期は固定で、近しい信号が入っていれば大丈夫とか?
いくら考えても素人には分からない上に混乱してきたので、この問題も取り合えず保留で。

今現在、この謎同期信号で絶賛稼働中。コンデンサが無いと安定しません。


○VGA to HDMIで音声入力
ノーブランド[VGA to HDMI]ですが音声入力も試してみました。
これ、結構不具合か何かで音が出ないと言う報告が多数あるようです。

X1Cの音声出力から引いてHDMI変換へ入力してみると、鳴ってはいるのですが大ボリュームで音が割れるぐらい。
何か抵抗でも入れたら良いかな?と何種類か可変抵抗を試してみると
100Ωと500Ωだと変化が少なく500KΩだと反応が良すぎだったので
50KΩぐらいの可変抵抗を入れると丁度頃合いでした。
 
余ってたコネクタで継いだので色が...
これだけで特に問題なかった...はず。(普段は内蔵スピーカー仕様で、あまり音声出力しないので)


○ダウンスキャンコンバータを試す。
VGA>S端子ダウンスキャンコンバータを買いました。
新品が送料込みで1050円!!商品名は分かりませんw
あえて書くなら「high resolution video [VGA conversion]」でしょうか?
 
S端子出力はRGBコンバータ[RGB-VIDEO-CV04N]で十分綺麗なのですが
自分がどうしても試したかったのが、15KHz>31KHz>ダウンスキャンS端子からのキャプチャー。
RGBコンバータ[RGB-VIDEO-CV04N]からの信号は、無理やり31kHz改を走らせないとキャプチャー出来ませんでしたが。
アプコンで525ラインにしてくれているのなら、そのままダウンスキャンすればキャプチャー出来るのでは?と言う発想。
最初からHDMIキャプチャーなりマイコンソフトの様な高性能なキャプチャーを持っていれば不要なんですけど
自分には安物USBキャプチャーしか手元にありません。

購入前に調べていたのですが、このダウンスキャンコンバータには少し問題点があって
表示デフォルト設定が海外向けな為に、初期状態からS端子コンポジット接続のみで設定しようとすると
画面が見えないまま設定をしないといけない為、知らない人は正常に使えないまま諦めてしまう方も多い様です。

OEMで同型が結構出ていて、amazonレビューに細かく説明が乗ってたのでヤフオク含め一番安かった物を買いました。
自分が購入した物は輸入品で、取説も英語のみ。
その他の品では
・サインソニック(SainSonic)「VGA→RCA 変換スキャンコンバーター パソコンをTVに」
・エアリア DOWN KING ダウンスキャンコンバーター VGA入力 コンポジット S端子 出力 SD-DSCV
等があるようですが、端子の配置やケースの形状が同じなのでOEM品ではないかと思ったり。

取りあえず重要部分だけ引用
表示が変な時は、リセットしてから初期設定すると良いらしいです。
---------------------------------------
【初期設定について】
VGAコネクタを再度接続すると、購入当初のモノクロでチラツキ表示になるので、
(1).「MENU」ボタンを1回押す
(2).「↑(上矢印)」ボタンを4回押す
(3).「→(右矢印)」ボタンを3回押して、「NTSC J」に設定する

【リセット操作について】
一旦、Video Converter側のVGAコネクタを抜いて、「ZOOM」を5秒以上押す。
---------------------------------------
S端子出力は、この設定をすると無事に表示。



VGAへのスルー出力があるのでS端子とVGAの2画面表示も楽々。

これをS端子出力をUSBキャプチャーに繋いでみると....

きたーーーーーー!!!

(動画はゲーム音声が出ます)

実機X1C> 特殊複合同期 > GBS-8200 Ver4.0 > high resolution video [VGA conversion] 
 > GV-USB2(S端子+音声入力) > PC(ソフト:アマレコTVでキャプチャー)

X1Cの設定を変更せず、念願のUSBキャプチャーに成功!!
若干色あせた感じですが、設定でコントラストを上げれば見れなくはない。
音が割れている気がするので、先ほど作った抵抗はもう少し調整が必要そうです。

しかし、よく見るとこのダウンスキャンコンバータの表示がイマイチっぽい?
チラつきは結構ありますし、ズーム機能があるのですが全体的に文字が少しおかしい様な?
ちょっと欠けた感じになるので違和感があります。
アップスキャンした上のダウンスキャンなので、原型を留めていなくても不思議はありません。
RGBビデオコンバータ[RGB-VIDEO-CV04N]が綺麗だったが故に、多くを期待し過ぎたようです。
それでも必要な機能は揃っている上、こうやってキャプチャーも出来ているのでお買い得でした。



●まとめ

やっぱりVGA接続出来ると何かと便利ですね。
S端子だと、どうしてもテレビが1台埋まって不便だったので選択肢が大きく増えました。

勿論、アップスキャンされていてもベースがRGBだけあって表示は綺麗
子供の頃、オリジナルフォントな上にRF接続では文字が潰れて読めなかったハイドライド2も、これなら問題なく読めそうです。
 
(今気が付きましたが「PUSH」ではなく「STRIKE」って言うのがなんか良いですね。)


表示テストをしている時に色々と問題点を見つけたので、今まで分かっている
このアプコン[GBS-8200 Ver4.0]の問題個所を整理してみましょう。

○RGBHV問題
・色が正常に表示されない。
・一部のメニューが使えない。
・画面サイズを変更しないと表示されない
ファームウェア?が悪いのか、回路設計が悪いのか、かなり挙動不審。
素人の自分には良く分かりませんが、自分のレベルでは修正不可能と判断。

○入力同期信号問題
一般的な基準信号では正常に表示されないかもしれません。
どうも個体差を吸収しきれない様子で、映像が流れたり乱れたり止まったりする様です。
今の所、専用の回路を設けるぐらいしか解決方法が思い浮かびませんが、それほど複雑な回路は必要ない模様?
ICを使っての合成、分離でも動作報告があるので、当然そちらが正規の手順だと思われます。

○縞々問題
表示が縦縞になります。滅茶苦茶な複合同期の作り方に問題がある可能性があります。
最初のゼノンが表示出来た時から気になっていましたが
ファミコンのAV化などで良くある?縞々が発生します。しかもかなりキツイ。
ベタ塗りではあまり気になりませんが、ゼビウスの背景など1ドット空きの表示?では縞が目立ち気になります。
自分のレベルでは回路も作れず基盤を壊しかねないので、スキルレベルが上がるまでは保留にします。

○描画不具合問題
動いてる部分の周りの表示がピクピクします。
本来動かないドットが再描画されて、しかもズレる?感じ。
常に動いていると気にならないかもしれませんが固定画面だと良くわかります。
プログラム的な物なのか、無理やり作った同期信号が原因なのかは現時点では分かりません。
まだ先にはなりそうですが縞々問題も含め、論理回路の複合同期信号を作って検証してみたいです。
確認し辛いですがアップの動画を撮ってみました。


宝石がアニメーションで動いていますが、何故か回りの土の部分もピクピクする。


同じく、キャラの足は動いて良いのですが、その足元の土がピクピクします。

○ボタンがおかしい
どうもメニュー操作で使う4つあるボタンですが、反応が変な時があります。
決定ボタンを押しているのに、カーソルが動いたり。ハズレ基盤だったからででしょうか?

○全てがオートスキャンでは無い
ゲームによっては、PCG定義で画面がフリーズする事が稀に良くあります。(どっち?
HかV Positionを調整すると正常に表示さる事が多いです。
設定は保存されるので、いくつかのゲームで表示テストをしてみて
全てが表示される値を突き詰めて行けば良いのではないでしょうか。

○怪しいメールが届くようになるかも?
直接関係はありませんが、購入したぐらいから怪しい広告メールが届くようになったのでメールサーバーでブロック設定をしました。


今回は最安の海外直送品を購入しましたが、値段の高い正規品であれば
ファームウェア?に修正が掛かって色々と正常表示出来る可能性はあります。

問題点は多いですが、VGA31kHzで表示出来るメリットは大きく、
昔には無かった大画面で遊べたり、モニターが壊れてしまっても代替え品がいくらでもあったり、
何より、手持ちの画面で表示されるのが最大のメリットで、選択肢が大きく広がる事になります。

全て新品の材料で集めても3500円以内で手に入るX1C対応のアプコンは、なかなか見つからないと思います。
表示には拘らないし高価なアプコンなんて勿体ない!って人にはおススメです。
(要ハンダ付け能力or変換ケーブル自作能力)
綺麗で正確なRGB表示に拘っている人には、全くお勧め出来ません。
(その場合マイコンソフトさんのFRAMEMEISTER1択ではないでしょうか)
あくまでも、表示したいけど出来ない人には格安で表示出来るので、色々な物に内蔵したり動作テストにも打って付け。
同期信号を改良すれば表示はもう少しマシになるかもしれませんが、今の所はこれが自分の限界です。


かくして、僅か1,850円(電源アダプター&部品別)でアップスキャンコンバータを手に入れ
さらに+505円でHDMI表示も可能と言う、何ともお買い得な企画になりました。
まだまだ改善の余地はありますが、自分にとって今後の表示の主力となる事は間違いないでしょう。
流石に基盤剥き出しで使い続けるのも問題がありそうなので、何かケースを作ってみたいと思います。
ダラダラ長い記事を読んで頂きまして、ありがとう御座いました。


※注意点:
・X1Cの15KHz表示のみしか動作確認をしておりません。
・同じX1Cでも個体差により正常に常時されない場合があります。
・他のX1やturboの24kHzモードではテストしていない為、どういった挙動になるか分かりません。



「~X1をHDMIで表示する」  おわり



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レトロゲーマーへの道~X1アプリケーションソフト(V2.0)

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30年越しの衝撃!!

前回のアップスキャンコンバータの記事で
この写真がありましたよね。

最初はただの住所隠しに置いたものだったのですが
X1C付属のアプリケーションソフトの説明書だったようです。
これって、単なるデモテープだと思っていたのですが、BASICソフトが入ってる模様...
子供の頃って文字ばかりの説明書とか読まないし、全く知りませんでしたorz

「DEFCHR TOOL」と言うPCG定義に使えるドットキャラを書く為の、言わばペイントツールと
「BINGO X1」と言う、CPUとの簡単な対戦が出来るゲームが入っているようです。
ひょっとしたら子供の頃に起動した事があるかもしれませんが、全く記憶にありませんでした。


実は何も知らずに、ワカメになった最初を飛ばして、原盤のカウンター100から
DEMOを書き込んでしまっていたので、上書きしてしまった可能性ががががorz

FILESで見た所...


何とか生きてたっ!あぶないあぶないw

「DEMO X1」が実機カウンターの60ぐらいまでで
「DEFCHR TOOL」が実機カウンターの80ぐらいまで
「BINGO X1」が実機カウンターの90ぐらいまでと
カウンター100から書き込んだDEMOの手前に全て収まっていました...


即行でバックアップを作り直して事なきを得たと言う話...
最初から裏面にも収録しておいてくれたら良いのにぃ~!

初期の頃のハドソン系カセットテープは、ツメが折られてなかったり
裏面にデータが入っていない事もあるので、注意が必要です。

めでたしめでたし。




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レトロゲーマーへの道~スキャンコンバータユニットの作製

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何とかVGAとHDMI表示が可能になったX1C。
内容的には100点満点ではありませんが、かなり実用的になりました。
しかし表示関係だけで電源が3個、その他にX1C本体と冷却ファンの電源が必要なのでタコ足必須。
VGAの配線もごちゃごちゃしそうだし、X1Cの映像関係全部乗せユニットを作ってみようと言う企画。
もちろん素人なので自作では無く、ただ単に単品を組み合わせるだけですけどね。



将来的に分解して組み替えたりする事も考慮して
端子類は基盤から取り外さずに、コネクタを購入して取り付け予定。
細かな仕様等は作りながら考えていこうと思います。



●周辺機器の確認
GBS-8220(GBS-8200Ver4.0)単体で使用するなら5V~12Vと電源の融通が利くので問題ないのですが
一応購入時に合体させる可能性を考えて、全てが5Vで動く製品を意図的に揃えました。
本当は、ダウンスキャンは中古のXPC-3が1000円ぐらいであったので使いたかったのですが
アダプタ電圧が高く(6.5V)別途回路か電源が必要になるので断念。内部での電圧変換の方法とか理解してないので。

まずは剥き出し基盤のGBS-8200以外の基盤を確認
・high resolution video [VGA conversion]の分解
  
入出力やボタンが多いので、端子類を外して配線すればスッキリしそうですが極力そのまま使いたい。
端子とスイッチがぐるりと一周全てに付いてるので配置の融通が利かず、一番最初に場所を決めた方が良さそう。

VGA2HDMIの分解
  
比較的小型ですが、HDMI端子の移設は極めて難易度が高く延長するにもコネクタが場所を取る事と、
電源が映像の入出力に対して垂直方向なので結局は配置の融通はあまりきかなさそう。
発熱が大きいので少し注意が必要。


●収納ケースの選定
この2つとGBS-8220が収まりそうなケースを探しました。

他の方のGBS-8200の使用環境を見るとアクリル板で挟んだり、タッパーに入れたりと様々です。
タッパーは見た目が”如何にも”なのと、側面が斜めだったりコーナーが丸い事が多く、見た目と端子取り付けに悩みそう。
透明アクリル板タイプは見た目がカッコいいのと加工が最低限で済むので良いのですが埃が心配。
「タッパーはちょっとなぁ~、でもうちは埃多いしケースには収納したいなぁ~」って事で100均で探してみました。

常時据え置きでは無いので出来るだけ最小限のサイズで作りたいのですが、ピッタリくるサイズが中々無いですね。
見た目はタッパーみたいなもんですが、ちょっとはコマシなケースを発見。
  
加工し易そうですが、当然耐久性はそれほど高くありません。
タッパーに比べ、全体の丸みが少ないのがポイント。

まずは、取り合えずぶっこんでみてスペースの確認
 
ぬ~ん。微妙に干渉するので、少し立体的に配置する必要があり大変そう。
GBS8220の端子部分のサイズを計算に入れるのを忘れた風。
VGA入力とコンポーネント入力端子部分に穴を開けて外に出せば綺麗に収まるかもしれないけど
全く使う予定がないので、外してしまうのも手かもしれませんね。今回はそのまま無理やり詰め込みます。

右手前にスペースがあるので、RGB21ピンを埋め込もうかと画策中。

その他、スイッチや端子類の配置も何となく配置を決定。


●スイッチや端子類の設置

電源スイッチは、アダプター根元のコンセントスイッチでも良いかなぁ~とも思いましたが
中華アプコンの動作が怪しいのでリセット替わりに電源スイッチを付けました。
 

USB電源を増設しようかとパーツ屋を見ると、USB端子1個だけで80円とかしたりします。
電源のみでデータ通信しないし100均のこれで良いかな?
  
こんなのでも自作すると200円以上かかりそうです。

配線がごちゃごちゃしてきました。
電源と端子類の配線を確認しながら、組んだり外したりで配置の調整。
    
一番最初は端子類を全て背面に集めようと思っていたのですが
意外とスペースが少なく、RGB21ピンの埋め込みを決めたのでVGA入力も側面に移動。

端子移動やら穴開けに失敗しまくって傷だらけになったのでアルミテープで囲ってみました。
 

X1C以外でも使える様に入力端子を考えてみました
まずはX1C専用のVGA端子をノーマルに戻して、X1センターさんの「簡易アナログRGBケーブル」をそのまま使い
X1C以外でもテスト出来る様に、特殊同期回路は埋め込まずに、合体式に変更。
アプコンと簡易アナログRGBケーブルの間に噛ます「特殊複合同期アダプター」を作りました。
  

配置が決まったので、あとは詰め込んで行きます。
配線を入れて行くとギュウギュウ詰め感が更に増した...
   
何とか収まったっ!

  
色々と汚なくなったので、気が向いたら作り直そう。108円ケースは失敗時のダメージが少ないのが利点。
1枚目:右面に入力系統とUSB電源
2枚目:背面にHDMI出力、HDMIorVGA切替スイッチ、VGA出力、S端子出力、ダウンスキャン操作スイッチ
3枚目:左面に電源スイッチ、電源入力、排気ファン

ざっくり完成♪

接続の関係上、X1C左横へコノ様に置いています。


●スキャンコンバータユニットの動作テスト

早速動作テスト。
  
色が変です。断線か結線ミスか。

  
HDMIは正常なのでダウンスキャンのスルー接続VGA端子側の配線がオカシイ模様。
取り合えず修理は後回しにしてテストを続行。

今はまだオーディオ出力端子を付けていませんが、この辺りに増設予定。
  
音声入力は今の所RGB21ピン限定に考えています。


〇スーパーファミコンでの表示テスト

RGB21ピン接続です。
映らない?
と思ったらC-SYNCではダメでVIDEO信号を同期に入れれば映りました。
分離同期信号ばかり扱ってたので、この辺の理解度はかなり低いです。

 
それ以外は特別なにもせずに自作したSFC>RGB21ピンケーブルで表示されました。
RGB信号の電解コンデンサは21ピンRGB端子に内蔵してあります。

アッサリと表示出来たと思っていたのですが、どうやら画面が真っ白(フラッシュに近い?)になると映像が乱れる模様。
RGBを絞るととマシになりますが若干乱れます。

ダウンスキャンからのS端子キャプチャーですが、それなりに綺麗?
X1CでのS端子キャプチャーがショボいのは、元の信号が正常では無いからかもしれません。

何とか正常に表示出来ないかと、RGB21ピンに直接部品を充てて実験。
最初、同期信号にC-SYNCを入れたのですが表示されませんでした。
でも、これも同期信号のはずだし混ぜてみる?的な発想で、ダイオードを噛ませて同期信号に入れてみる。

理由は分かりませんが、見事に解決!!

簡易的ですが「C-SYNC」+「コンポジット」同期信号という事でしょうか?
映像が乱れる方はRGBの出力を絞っているので、背景の雲が暗くて分かりづらいですが
こちらはRGBそのままでも問題なく映像が乱れる事はありません。

これでスーパーファミコンの表示環境も自分が遊べる年数なら困る事もないでしょう。


取り合えず、VGAが正常に表示されないのを修理。
HDMIとVGAの切り替えスイッチ(ジャンク)が悪かった様です。

結局、VGAとHDMIの切り替えスイッチは配線が窮屈になって故障のリスクが増えるので廃止して、
HDMIの電源スイッチだけを付けてVGAかHDMIどちらかのケーブルだけを接続する排他的仕様にしました。
常時2出力にするなら、初めから2出力対応のアプコンにすると良いかもしれません。

ついでにオーディオ出力端子も取り付け。


〇プレイステーション1で表示テスト。からの...

何故か正常に映らないorz
ノイズの影響な気もしますが、チラっと映るぐらいでスグにノーシグナルになります。
これはX1Cみたいに何か回路入れる必要があるのでしょうか...

しかし、初期テストの段階では何もせずに表示されていただけに、謎は深まるばかり。(写真)

配線を変えてみたり、アースを変更してみたり切り離してみたり2日ほど色々試しましたが解決しません。

同じ配線でマイコンソフトのXAV-2sなら正常に表示されるので、PS1からRGB21ピンまでの配線は間違いないはず。
となると、RGB21ピン入力から中華アプコンの入力までに何かあるのだろうか?

RGB21ピン端子が硬いので、SFCの端子を抜き差しした時に断線でもしたのかもしれないので
バラシてみましたが特に異常なし。

再び色々実験していると、どうも表示がオカシイ。
プレステの画面は依然映らないのですが、設定が悪いのかと色々イジった時に
アプコンのメニューが文字化けしたりボタンが反応しなかったり..

「早速アプコンの熱暴走か?」と思いきや、触ってもそれほど熱い訳でもありません。
そしてその時、ヒートシンクを触った時に表示が正常に戻った!?

初期状態でヒートシンクが曲がっていたので、そのダメージの可能性もあります。
しかし、最初はそのままでも正常に表示されてた訳で、
考えられる中で可能性が一番高そうなのは「ケースに収める為の脱着」
結構丈夫だった(と思ってた)ので、粗くガリガリ脱着してました。
ネジが基盤4隅の穴にピッタリ過ぎて、なかなか抜けなかったり...

どうもヒートシンクの左側を触ると、色々不具合が発生する感じで
元々綺麗なハンダでは無かったので気にはなっていたのですが
チップか基盤かハンダに問題があるようで接触不良になっているようです。

さらに詳しく調べているとICの左奥側に問題がある様で、ICが基盤でハンダ付けされている所では無く
ICの中へ向かっての付け根辺りに触れると表示が消えてしまう様なので、どうにも手の施しようがない。

こうなってくると素人の自分にはお手上げで、何とか映そうとするものの
映っては消え、映っては消えの繰り返し、そして最後は何も表示されなくなりますた...orz

オートスキャンボタンでLEDが普通に点滅したりするので、機能自体は生きている様ですが
映像出力系の回路がIC内部で断線した可能性が高そうです。

デロデロデロデロデロデロデロデロ、デ~デデン♪
「ちまちまは ”アプコン” をこわした」

ぐっぞぉ~~うorz


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レトロゲーマーへの道~スキャンコンバータユニットの作製-その2

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→ NEW GAME

と言う訳で、映りそうにない壊してしまった基盤は諦めて2号機用を注文する事となりましたとさ...

別の種類のアプコンにしようかとも考えましたが、折角色々実験して映る様にもなったし個人的には特に不満は無いんですよね。
あの梱包は出来れば注文したくは無いのですが、値段が安すぐる誘惑。
ほぼジャンク感覚なのが安物買いの何とかになる落とし穴なのかもしれませんw
他の所から買っても輸入代行なだけだろうし、もう一度レッツ中華チャレンジ!

まぁ、ほぼジャンクな自分のX1Cにはお似合いなのではないでしょうか。
FRAMEMEISTERを買う値段なら、あと15台は実験出来ると言う事だしねっ!
映らなかったものが映る様になると言う快楽は、数万円に匹敵する価値があると自分は感じました。
(実機を使ってゲームを高解像度で遊びたいだけなら、断然FRAMEMEISTERをお勧め致します。)


そして2号機が到着。
  
今回は注文から6日目とスピーディーでした。相変わらずの梱包ですが...

先ずは初号機との違いを検証。
  
基盤プリントパターンの製造年月日は同じ2015.01.15です
しかし、細かなパーツが若干違っている風?
ヒートシンクの削り方が気持ち違います。そして貼り付けが若干斜めw
  
この基盤、手作り感が半端ないんですよねぇ....これもヒートシンクで蹴られたのでしょうか?
初号機はヒートシンクの足が1本曲がってましたね。(ペンチで無理やり修正しています)

チップ抵抗?の値も気持ち違います。
 
数値は読み難いですが、2桁と3桁なので明らかに違います。
問題のICのハンダも2号機の方がマシに見えますが、コンポーネント端子裏面のハンダが粗くてやはり個体差はありそうw

今回はRGB入力コネクターの向きは初めから正常でした。

初号機はコネクタが逆向きでした。

IC関連も表記が若干違いますが、ロットの違いで印刷が違うだけかもしれません。
 


2号機にはQ.C.PASSEDのシールがあります。Quick Checkの略でしょうが
初号機には貼ってなかったので、チェックで蹴られた可能性...
そりゃコネクタ逆にさしたら映るはずなす。

以上の事から初号機は、とんだハズレ機体だった様です。


そして2号機は正常に動作するか?と思い、X1Cから簡易アナログ変換でVGAへ直接入力。
まずはRGBSですが、全く同期は取れず。
   

仕方ないので簡易複合同期コネクタを使って、RGBSでオートスキャンすると正常に表示されました。
 

RGBHVですが、相変わらずのピンク。もちろん画面サイズを変更しないと何故か表示されない。
ロットの問題では無く、こう言う仕様なんだと思うしかないw
   
RGBSで表示出来ますが絶賛縞々中。やはり同期回路を何とかしないとダメかすらん?
表示テストはこの程度にしておいて組み込み作業に入ります。

途中行程はホボ同じなので省略。
発注から到着まで1週間あったので、到着前から再び同じ100均ケースで作りかけていました。


15ピンVGAだと、別途音声入力を作らないとHDMIに音声が乗らない為
今回も音声内蔵のRGB21ピンに入力端子を内蔵する事に決定
別途X1toRGB21ピン(音声、簡易同期合成内蔵)ケーブルを作ってもいいかな。

但し、現状で動いているVGA15ピン端子との差をテストに使いたいので、こちらも内臓。
新しい8200基盤を付けたり外したりしなくても良い様に、壊れた基盤で取り付けテスト。

ケースも2個目で収納や配置を見直す事で、色々スッキリしました。


ファンレスでも問題無いと言う情報もありますが、熱によってオカシクなった可能性も少なからずあるので
やはりケースに収めるなら排気か吸気はあった方が良いと言う事で排気ファンを1つ。
特に、この安物のVGAtoHDMIは高熱を放つ様なので注意が必要。
問題が出る様ならVGAtoHDMI付近にもファンを設ける予定。

最後に操作が結構必要になると思うのですが、いちいち蓋を開けるのも面倒なんで物理的機構のスイッチを増設。
    
 
蓋側に付くので、ちょっと位置がズレて下ボタンだけ微妙な押し心地ですが機能としては問題なし。

  
2度目の完成♪

   
右側面:入力系(RGB21ピン、VGA15ピン)
左側面:電源スイッチ、5V入力、排気ファン
背面:HDMI出力、HDMIスイッチ(VGA出力時は切る)、音声出力、VGA出力、S端子出力、ダウンスキャン操作スイッチ

マルチメディアTVの場合、一度に全部の接続が可能です。意味はないけど。
   
Sビデオの表示がオカシイけど、きっと気のせい。そう言う事にしとこう。



●映像問題に進展?

ここで色々実験している時に新たに驚愕の事実が判明。

「~X1をHDMIで表示する-その3」に書きましたが、GBS-8200Ver4.0のテストで
Clanp stを変更して青色成分を表示出来る値(今回は97)にすると徐々に白くなるけどザナドゥの青色成分が表示されました。
何とその間は、フラッシュ時に信号を見失わない模様。
通常、対応していないコンバータを噛ますと、映像が乱れるか暗転します。

マイコンソフトさんのRGB-Sシグナルエンコーダ[XAV-2s]の場合

同期信号を見失って映像が乱れるのでしょうか。

GBS-8200Ver4.0の場合

白化問題があるので、このままでは実用的ではありません。

純正RFビデオコンバータ[CZ-8VC]でコンポジット接続の場合

流石の純正ですが、コンポジットの画質がががが。

これらの事から、どうやらフラッシュしない原因も水平ブランキングが関係している様です。
安物中華アプコンでここまで表示出来ると言う事は、フレイムマイスターは設定のみで表示出来るのかもしれませんね。
もしくは、ファームウェアのバージョンアップで対応させる事は可能かと思われます。

GBS-8220でも、この白化現象さえ止められれば表示問題は解決しそうなのですが、まだまだ自分ではレベル不足です。



●まとめ

♪みっつのメカが、ひとつにな~あって~♪

 

使い勝手は、かなり良いです。
軽くて配線がとにかくシンプル(普段はVGA入力、VGA出力、電源の3本)なのが特に便利。
現在はVGA出力しか使っていませんが、実際に遊ぶ時はHDMI+S出力キャプチャーが主力になると思います。

HDMI出力で表示出来たと言う事で表示問題にも終わりが見えてきました。
水平ブランキング問題が解決していませんがアプコンによる表示の可能性が若干ですが見え隠れしたり。
しかし、あとは電子回路を噛ますしか解決方法は無さそうなので、
ここから先は経験値を稼いでレベルアップしてから再度挑戦する事になりそうです。


ガーン!!またしても記事を書いている時の検索でGBS-8220がX1で使えると言う書き込みを発見しましたorz
毎度の事ながらタイミング悪し。

簡単に方法が書かれていますが素人の自分にはこの書き込みだけでは全く理解が出来ません。
しましまノイズの事が書かれてないので、自分のめちゃくちゃな同期信号の作り方に問題がある可能性。
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Amazonレビューへのリンク
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ジッタ、シュミットトリガって何ですか?w
自分の超簡易回路で表示されるのは奇跡的だったと言う事なのでしょうか...
もう、抵抗、ダイオード、コンデンサの3種だけに頼るのは限界なのかもしれませんねorz
もう少し勉強するまで、縞々で我慢するとしましょう。きっちり回路を作れば、結構使えそうな雰囲気です。

自分が購入したのは上記レビューリンクにある販売元「Andoer-JP」では無く「STKショップ」でした。
販売元が違うと外見は同じでも中身が違う可能性があります。
「STKショップ」の場合、販売元が同じでもロット差が結構あるようですがw
レビューが「Andoer-JP」なので、STKが心配ならそちらでの購入をお勧め致します。

〇主な費用とパーツ
・アップスキャン:¥1,850- (GBS-8200Ver4.0 ノーブランド[STKショップ])
・ダウンスキャン:¥1,050- (high resolution video [VGA conversion])
・HDMI変換   :¥ 505- (VGA2HDMI ノーブランド)
・アダプター5V4A:¥ 980-
・その他の部品
 ・RGB21ピンメス
 ・D-SUB3列15ピンメス×2/オス×3
 ・RCAジャック×2/ミニプラグ1
 ・5Vファン30mm&ファンガード
 ・S端子オス/メス
 ・DCプラグ×2/ジャック1
 ・ミニUSBプラグ
 ・電源スイッチ×2
 ・USBコネクタ(100均)
 ・ネジ&ナット&ワッシャ(色々)
 ・ジャンクケーブル
 ・収納ケース(100均)

なんだかんだで、そこそこの値段がかかってる模様。
色々な出力に対応出来るユニットにしたかったので欲張り過ぎたかも...
用途に合わせて必要な分だけで作れば、安く上がりそうです。
普通の人は、ダウンスキャン機能は必要無くて、その分その他の部品点数もかなり少なくなるのではないでしょうか。
S端子出力が欲しいなら駆動電圧が少し高めですがRGBビデオコンバータ[RGB-VIDEO-CV04N]の方がオススメです。


〇今回のユニットの仕様
〇信号入力:
・アナログRGB、3列15ピン(現在の対応状況はX1Cのみ)
・アナログRGB、21ピン(現在の対応状況はSFCのみ)

〇信号出力:
・VGA(31KHz-640×480、800×600、1024×768、S端子と同時出力可能)
・HDMI(音声合成可能、S端子と同時出力可能)
・S端子(USBキャプチャー対応、VGAやHDMIと同時出力可能)
・コンポジット(今の所用途がないので未配線)
・音声ステレオ(RGB21ピンより入力した音声を出力)

〇電源:
・入力>DC5V(2A以上?)市販ACアダプター
・出力>USBコネクタ型5V電源

〇X1Cの接続に必要なケーブル:
・アナログRGB簡易変換ケーブル(RGB150Ω抵抗3個のみ)
・アナログRGBからGBS-8200に繋ぐアダプタ(超簡易型:小信号用ダイオード1個と0.1μ積層セラミックコンデンサ1個)

〇現時点での欠点:
・動作確認はX1C(CZ-801C)とSFCのみ
・描画時に描画する箇所の周りがブヨブヨ動く。(プログラムを打つ時は結構気になる)
・ソフトによっては若干の画面設定が必要(PCG定義でフリーズする)
・複合同期信号しか受け付けない?(V-SYNCがオカシイ)
・ダウンスキャンがショボいのでS出力が全体的に粗い(文字が欠けたりする)
・ちゃんとした表示にはちゃんとした合成同期信号が必要?(縞々問題、同期問題)
・水平ブランキング問題が惜しい(パレット0番は表示可能だが、徐々に白くなる)

内容的には値段相応ですが、まだまだ改良の余地はあるので勉強して楽しみながら進めて行きたいと思います。
万人向けではありませんが、自分程度の能力でも表示は可能でしたので、興味のある方はチャレンジしてみては如何でしょうか?

以上、スキャンコンバータユニットの作製でした。



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レトロゲーマーへの道~15kHzRGBナビモニターの改良

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ナビ本体を起動しないと映像が映せないケンウッドのナビモニター。
流石にコレを毎回引っ張り出してセットするのは億劫以外のなにものでもありません。

これのスリム化を計れないか実験してみました。


●DVDナビモニターの軽量化
まずは本体側を分解。
取りあえずDVDドライブとGPSチューナーを取り外しても映りそうでした。

これ以上は基盤+コネクタ基盤なので分離は難しそうです。

チューナー側も分解

DVDとGPSを外して空いたスペースに、このチューナーユニットの基板が収まらないか試してみましたがちょっと厳しそう。
双方のコネクタ類の部品を取り外せば入る気配はありますが、AV端子類は他の使い道があるかもしれないので一旦諦めて保留。
気持ち程度ですが軽くなった所で放置していました。


●RGBナビモニターユニットの作製
相変わらずナビ本体とチューナーユニットが分離していて、電源や配線も分離している状態で
出したり片付けたりするのがとても面倒です。

そこで、これを完全に15kHzのRGBモニターとしてしまおうかと言うのが今回の企画。

アップスキャンコンバータを手に入れた自分には、もはやそれほど必要無いのですが
アプコンが成功する前に始めていた企画で、常時使わなくても予備のモニターとして原因切り分けに便利かなと。

パーツの組み換え等をする知識は無いので、ケースを作ってケース内で結線する事により
一つのユニットとして機能する様に改良してみようと思います。

自分で使うだけで見た目に拘らないタイプなのでケース材料は今回も100均で良いよね....
しかし、なかなか良いサイズの箱が見つからず。
仕方ないので、買ってきたケースは100均ならどこにでも置いてそうなクリアケースを2種類
  
1個で収まりそうな物が無かったので、2段重ねにする事にしました。

配線はコネクターがかさ張るので、必要な分だけ結線してシンプルにしたいと思います。
それでもモニター側を切るのは躊躇われるので、そのままです。

まずはナビ本体とチューナーの基盤の取り出し。
 

まずは電源コードのスリム化テスト。
 
カーナビとチューナーの電源を一本化します。

次にRGB端子のナビ信号線2本だけを繋いでみてのテスト。
  
ナビ本体からの信号が無いとチューナー側でRGB表示出来ない為です。
電源監視用の信号線は、直接電源(5V)を放り込んでも大丈夫かもしれませんが
もう1本の信号線は、テスターの実測は5Vなのですが普通に5Vを入れても識別してくれない為
パルス信号的なものが必要なのかもしれません。

入力用ケーブルも短くまとめます。

上「パナソニックナビRGB端子>ケンウッドナビRGB端子変換ケーブル」と、下「電源コネクタ変換ケーブル」です。
RGB変換ケーブルにした理由は、「X1C>パナソニックナビRGB端子変換ケーブル」と
「RGB21ピン>パナソニックナビRGB端子変換ケーブル」が既にある為です。

 
ナビ本体からチューナー側へは、ナビ信号線2本と電源3本だけ配線。
よく考えたら電源は2本で良かった。(バッテリーとアクセサリを分ける必要がないので)

あとはケースに入れて配置などを調整していきます。
  
計ったかの様に、幅がドンピシャ。しかしピッタリ過ぎて基盤を出し入れすると傷が付きますorz

特に難しい所も無く、位置を合わせて穴を開けていくだけ。
結構ギリギリサイズで、カードスロットカバーだけメイン基盤から取り外しました。

かなり熱を持つので冷却ファンの取り付けも検討。

電源スイッチを付けようかと思いましたが、GBS-8220に比べて安定度抜群なので
コンセントスイッチで切るか直接端子を抜く方向で。

この100均ケースは結構硬いので、カッターで傷を付けて彫刻刀で溝を掘り
ペンチで割って行く方法で結構上手く行ってたのですが、削りで手を抜いて数か所か割ってしまいました。
自分用なのでボンドで補修。
最悪作り直しても安いのなんの。まぁ手間なのでこのまま行きますが。
   
穴あけは、いつものドライバーで。穴のサイズがデカいのでちょっと大変。テーパーリーマーが欲しくなりました。


端子類は今の所片面のみ。ナビ15ピン入力、モニター出力、12V電源入力の3本のみです。

2段重ねですが、完全に固定してしまうとメンテナンスする時に面倒になるので
片側に蝶番を付けてみました。これも100均で。細い穴は精密ドライバーで調整。
   
  
蝶番の反対側はファンのネジで固定します。ファンの上側のネジだけ外すとパカッと開く仕組み。

合計324円のケースに収納完了♪



●ファン制御の勉強

冷却ファンを付けたのですがファンがフル回転だとブンブン鳴るので可変抵抗を付けてみました。
テストしてみると可変抵抗が物凄く熱を持ちます...
さらに可変抵抗を回すと火花らしきものも見え、明らかにヤバイ雰囲気が漂ってきたのでネットでファン制御のお勉強。

検索先によると、単純に抵抗を噛ませただけでは濁流に堤防を築く様なもので
堤防である抵抗に膨大な負担がかかる為に発熱する様です。
なので、電圧を下げる為にレギュレータを使うと言う事らしい。ただしレギュレータもそれなりの熱を放ちます。
一番有名なのは「LM317」という3端子レギュレーターの様ですが
ジャンク部品の中に1つだけありました。でもちょっと変色してて怪しいw
 

そう言えばこんなファンスイッチありましたね。
USBファンに噛ませるとスイッチ兼風量調整出来るもの

自分はPS4の冷却ファンに使っています。(過去記事:PS4-自作縦置きスタンドの作り方
少し勉強した事で何となく気になったので分解してみると...

そんな気がしたw やっぱりLM317でした。

まぁ、今回はナビユニットの12Vファンをジャンクレギュレータで制御してみましょう。
作ってる間に、アプコンユニットの5Vが100Ωの可変抵抗のみでどれだけ熱を持つかも検証しておきます。
結果、冬場ですが2時間程度回して、ほんのり温いかな?程度でした。
5Vファンの方は小型で省電力なので、可変抵抗だけでも何とかなりそう。
ケースが振動でビビらない程度に下がればokなのです。


3端子レギュレータは信号用の抵抗を調整する事で出力電圧が変化する様で
ちょっと部品が増えてしまうので空中配線で大丈夫なのか微妙な所ですが何とかスペースを作ってみましょう。
あとは230Ωか330Ωか分からないジャンク抵抗をR1に
調整用のR2がジャンクで一番低い10KΩ(かなりデカい...)しかなかったのでテスト。
各方面を見てると普通、R2は500Ωぐらいの人が多いので、10Kだと
ちょっと回すだけで止まってしまいそうw
まぁ一度調整すれば動かす事は無いので抵抗が決まったら普通の抵抗に替えるのもありでしょうか。

ネットが無い時代って、初心者だとこう言う事も全て雑誌とか本で調べてたんでしょうねぇ
なんて楽な時代なんでしょう。
まぁネットですぐ見つかるから、覚える速度は遅いのかもしれませんが...

ジャンク部品のみで適当に空中配線。取りあえずコンデンサ無しで。

火を噴かない事を祈りつつ、テストしてみましょう。

大分と静かになりました。もともと風量が多かったので、これでも十分冷えそうな感じです。
レギュレータも同時に冷やされるので、心配無用かも?

開口部が少し大きめなのでファンガードを買ってこよう。

元通りに組みなおして完成♪
  
それなりにコンパクトになりました。
モニター自体も一体化してしまうか、ケーブルをもっと短くしても良いかなぁと思ったり。

    
久しぶりにマリオスペシャルを堪能。過去最高の51面までは程遠く...

 
端子類は一応生きていると思うので、ビデオ入力やRF入力も穴を開ければ使えると思います。


う~ん、使い勝手が格段に上がりました。
この様な「基盤を取り出して詰め替える」方法は、多少のリスクはありますが比較的簡単で利便性が良くなります。
前回のスキャンコンバータユニットもそうですが外部配線がスマートになり、ある程度自由に配置出来るのも魅力。

ゼロから作る技術も知識もありませんが、この程度の加工ならお手軽だと思いますので
自分みたいな初心者の方にはお勧めしたい手法だと思いました。



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レトロゲーマーへの道~X1Cカセットデッキ修理-その5

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X1Cのカセットデッキに新たなる不具合が発生!!

カセットを入れると(ロードしようとすると)巻き戻そうとしてスグ止まる。
自分で書いてても何言ってるか訳が分からないw

しかし、実際にそう言う動きなのです。
”C”ロードすると、いきなり巻き戻しが始まり、止まる。
そうとしか書きようがないorz

挙動不審の原因、素人予想:
・駆動モーターが弱い
・再生巻き戻し切り替えソレノイドが弱い
・駆動モーター~フライホイールのベルトの滑り又は引っかかり
・ヘッドを出し切る直前が一番ギアが重く、そこでギアを回しきれないと起こる現象の可能性。
この辺りのどれかと予想。



●またまた終わりの始まり?

事の発端は、カセットデッキ中間まとめの記事で動きや機能を再確認していました。

「ベルトの耐久性は以前より上がった気はするけど、完璧では無いなぁ」とか思いながら
「よし、大体分かったし、グリスUPしながらベルト屑とプーリーの掃除して終わろう!」
と思って組んだあと、テープエンド判定のテストをしようと思ってカセットを入れてみた所、再生されないorz

何故かロードしようとすると、巻き戻しになってスグ止まります。
特別バラしてないのになぁ~と思いながら再び分解してヘッドをカシャカシャ出してみると
やはり巻き戻しの方にギアが噛み込もうとします。
指でフライホイールを回しても巻き戻しの方にしか噛み込まない...

ここでまさかの「GAME OVER!」?


うわぁ~!!ここまで来て終われねぇ~!!

CONTINUE!!
CONTINUE!!
CONTINUE!!



●再生と巻き戻しの構造を調べる

まずは、なぜ再生されないのかを考えます。
カシャカシャと指で色々押しながら考える事、数十分...

「あれ?ピンチローラーが出てなくね?」

普通、再生される時はヘッドと同時にピンチローラーも出なければいけません。
しかし、現状出る気配が無い。

ヘッドをカシャカシャ押しながら、何かの拍子にピンチローラーが同時に上がる時がある。
「何処かにフックの様な物があるはずなんだけどなぁ~中で引っかかりが悪くなってるのかな?」

このままの状態だとどうにもならないと踏んで、ヘッドとピンチローラー機構を繋ぐであろう
フック的な物を探す為に、今までバラした事無い所を分解してみる事にしました。
どうもヘッドの下が多重構造になっている風だったので
ヘッドを外せないかと1本ネジを外してみました。


割とアッサリ取れました。

ここは全く分解していなかったので古いグリスが結構付いてました。
一旦古いグリスを落として新しいグリスに塗りなおします。

そして構造を見てみると金属に切れ目が...「まさか折れた!?」


いやいや、右がピンチローラーに、左が巻き戻しの金属に繋がっているようだし、こういう構造のはず。
どうやらヘッドの下の振り子の様に動く金属で、巻き戻し側と再生側(早送り側)を切り替えている様です。
この真裏には電磁ソレノイドがある模様。
しかし、ソレノイドがこの金属に引っ付いてる訳では無いので一方向にしか動かせ無さそう?
そもそも電磁ソレノイドの原理が電磁石でピンを引くだけの構造なはずです。

「この引っかかりが電磁ソレノイドから外れたから切り替え出来なくなったのかな?」
と思って、引っかかりが無いか探してみるも外れている気配も無く
どの道、電磁ソレノイドが働くと巻き戻し側に動くので再生されないのとは関係ない。
となると、通常時は再生側には常にバネか何かで引っ張るか押されているはず。

怪しいフック発見!ここにかかりそうなバネは....


キミだ!


つまり構造は、普段はバネの力で常に再生側にあり、ヘッドと同時にピンチローラーが上がる仕組みで
電磁ソレノイドが働くと金具が巻き戻し側に引かれ、ヘッドが出ると同時に浮動ギアが巻き戻し側に押される仕組み。
  
一番右の写真の赤丸の金具が電磁ソレノイドのピンに繋がっています。

「すげ~!レトロなメカトロおもすれ~!」

素人からすると「ピタゴラスイッチ」風な構造なんですよね。
古い機器はパーツが大きい為に素人でも理解し易く、仕組みが分かると面白さ倍増なのです。

バネを取り付けただけですが、修理完了!

そして組み付けている時、怪しいボールを発見...

丁度、ヘッドの真下に転がって(グリスで転がらずに引っ付いてた)のですが
凄く小さいので、最初はハンダ玉かとも思いました。
しかし、真円っぽい感じなので何かのボールだと思い、付きそうな所を考えてみる。

ここが怪しい...丁度最初に外した鉄板です。しかもヘッドの真下。

可動部分でボールが無いと擦れてしまう為ここだと思うので、ボールを入れて組み付けました。
後で写真を見返しているとこんな所に写ってました...分解中の写真は大事!!


動作テストしてみると問題無くロード出来る様になりました。良かった良かった。


●まとめ

また一つ、X1Cのカセットデッキに強くなったゾ。
縦の大きいのがヘッドや巻き戻し金具等をリセットするソレノイド
横向きの蓋を開けるソレノイドの内側に付いてるのが、駆動方向を切り替える金属板を変更するソレノイドでした。
ヘッドと同時に鉄板が上がる事により、ギアの抑えが解けて必要なギアに噛み込む構造になっています。


(再生送り側と巻き戻し側を切り替える機構)

この修理でテープエンドから更に巻き戻すとバグる問題が解決してないかと思ったが、甘かったorz
テープエンドスイッチがリセットされない感じなんでしょうかねぇ。

今回の件で分かった事は、綿棒でグリグリ掃除したり、負荷が高いまま指でカシャカシャと無理やり動かすと
バネに負荷がかかって外れてしまう事がある様です。

以前、巻き取り駆動用の浮動ギアのバネが外れて折れてしまったのも、それが原因だったのかもしれません。
どちらにしても、完全分解する以外は動かしながら掃除とグリスアップをするしか手は無いので
自分みたいにガシャガシャ動かさずに、静かに動かしながら更にスプリングが外れてないか確認しながらの
掃除とグリスアップをお勧め致します。

ある意味、自分好みの死にゲーなX1Cのカセットデッキなのでした。



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レトロゲーマーへの道~あとがき

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素人作業で色々進めてきましたが、何とかX1Cで遊ぶ環境は整ったのではないでしょうか。
まだまだ100%には程遠いですが今時のHDMIテレビに表示出来、
問題は残っているものの所持するカセットテープソフトもバックアップも取る事ができ、ホボ起動可能になりました。

項目数を見れば、表示関係に手こずっている事が良く分かります。
今でも売っているカセットテープとは違い
進化により消えて行った規格を、現在の規格に対応させる難しさを痛感しています。
知識と知恵とヤル気があればどんな事が出来るかと言うと
「ひろっぴさん」がUSBディスプレイ(ぱっと見た目はほぼ完成?)に挑戦されています。
自分の様な初心者は既成品に手を加えるのがやっとなので、表示関係には苦労させられていますね。

現状で残っている問題点は...

●表示関係

○水平ブランキング問題
簡易アナログ変換による表示で、パレット0番が表示されない為に「ザナドゥ」等のソフトで正常に表示されない問題です。
純正RFビデオコンバータ[CZ-8VC]では正常表示可能ですが赤文字やオリジナルフォントが読みづらいという弊害があります。
また、特殊な処理をしている画面フラッシュでも水平ブランキングの影響で正常に表示されない様です。
アップスキャンのGBS-8220では白化現象があり、現時点では完全に使用出来るとは言い難いです。
FRAMEMEISTERでの完璧な表示報告が見当たらないのですが、調整で表示出来ているのでしょうか?

○キャプチャーがショボイ
キャプチャーも画質に拘らなければ、Webカメラか、アップスキャンからのダウンスキャン
または、無理やり31kHzプログラムを利用したキャプチャーなら可能です。
HDMIキャプチャーを買えば済むのかもしれませんが、表示とキャプチャーは全くの別物なので
それほど必要に迫られていない段階で実験的で買うには、HDMIキャプチャーは手が出しにくいですね。


●カセットデッキ

〇テープエンド判定問題
テープエンド判定後に、さらに同方向へ送るとバグる。
テープエンド判定のリセットが出来ていない感じで、挙動が変でデッキ停止などの操作が出来なくなります。
もう少しカセットデッキの構造を勉強をすれば、何か分かるのかもしれません。

〇ベルト問題
自作ベルトは耐久性に難があるので、まともなベルトに変更する必要があります。


●カセットソフト

〇WAVからイメージ化問題
カセットからカセットへのバックアップが機能しているので、ゲームには今の所は支障ありません。
CZ-8RL1を手に入れればバックアップ問題は解決ですが、X1turbo以降でカセットを使うには必須で
値段高騰によりプロの修理屋さんも入札に参加しているため手が出しにくいですね。
何とかCZ-8RL1を使わずに、イメージ化&書き戻しが出来れば良いのですが...

〇バックアップ出来ない(ロードエラーになる)ソフト
現在、手持ちのバックアップソフトで正常動作の確認出来ないソフトは「カムイの剣」のバックアップだけですが
「ばってんタヌキの大冒険」「ちまちま(日本版)」「ゼビウス」などはロードエラーになる事があります。
3本とも原盤では特に問題なく起動するので、テープの劣化によりバックアップが上手く取れていないと思うのですが
詳細な原因は不明です。何とか完璧なバックアップを作りたい所。



自分の能力でこれらを解決するには、それ相当の新たな知識と経験を身に着ける必要がありそうです。
なので視野を広げる為に「レトロゲーマーへの道」はここで一旦中間区切りを付けようと思います。

今後の予定としては、SHARP X1関係を中心に進めて行くことには変わりありませんが
メインタイトルを外して、遊びの幅を広げて行こうと思います。(と言うか、後先考えずに広がってしまっただけ...)


相変わらずのダラダラ文章は変わらないと思いますが、
興味のある方は、これからもお付き合い下さいませ。



レトロゲーマーへの道~おわり



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DR-320(PC-6082)の修理-その1

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ついに新たな趣味の領域に踏み込んでしまった...
X1Cのカセットテープデッキの理解を深める為に、別のデータレコーダーで遊んでみようと言う企画。

動作未確認のジャンクハードを購入してみました。
PC-6082(DR-320)で、PC-6000シリーズのオプションとして販売されていたデータレコーダーの様です。
ちなみにX1Cにはカセット関係の外部端子は一切ない為に直接的には全く使えません。

外装も綺麗ではなく、通電するけどカセットが回らない格安ジャンク品でした。




●分解と清掃

まずは検索、そして検索。
このデータレコーダーは修理方法が掲載されているページが幾つかあるので、不具合箇所を探すのは割と楽そう?
素人には大変助かります。
ネットを徘徊していると、ベルトが切れているのは当然として
どうもこのシリーズはグリス等固着で機械部分が固くなりやすいのと、電解コンデンサーも悪くなりやすい様ですね。

その前に、根本的に動くのかどうかすらわかりませんが...
取り合えず、掃除をしながら中をみてみましょう。

底面のネジを4本外すだけなので簡単です。
しまった、愛用のドライバーだと届かない罠orz


裏蓋を開けてみると、自分が思ったより良い品な気がします。
ベルトが切れたままなので、長期間放置されていた様です。


まずはベルト周りの大掃除から。
綿棒ですくうと...ぎゃーっす!
 

このまま綿棒の反対側を使うとドツボにハマって真っ黒くろすけになるのでご注意を
自分は半分に切って、1回拭いては捨てを繰り返し。


そのまま捨てられるゴミ箱があると便利です。

ある程度取れたらクリーナーを付けてさらにふき取ります。


モーターのプーリーを掃除し終わって、次のプーリーを掃除し始めて分かりました。
この巻き取り駆動プーリーも浮動式やん!
てか、この頃のカセットテープドライブって、これが普通なのでしょうか?
これはまたベルトで難儀しそうなヨカン...

「うぎゃー!!」あれだけ注意してたのに、指がいつの間にか黒いorz
どうやら、フライホイールのドロドロが付いた様です。
フライホイールを外すのには、それなりに分解が必要になりそうだったので
まずはこのままの状態で綺麗にしました。
 

次に確認するのは電解コンデンサー
液漏れしていては、基盤にダメージが及ぶようです。
 
底のアルミ板?と基盤を外すと、大きなスイッチ機構がありました。
かなり大きいですが、カセットスロット付近に長いスプリング付きワイヤーで繋がっています。

見える範囲でコンデンサの液漏れも無さそうなので
一度電源を入れてモーターが回るかテストした後ベルトを付けて動作テストをしてみたいと思います。



●初動テスト

内容に「電源コードは付属しません」と書いてたのに、ちゃんと付けてくれるツンデレちゃんでした。かわいい。

まぁ良くある達磨型の電源コードなので、無くても入手は簡単です。

通電は勿論OK、モーターも無事回りました。
ベルトは最終型自作ベルトでテストします。
 

片側のネジを緩めるとフライホイールの軸受に隙間が出来るので、今回はここからベルトを入れます。
 
奥にもう1本ベルトが付いていますが、ブチル系では無く使えそうなので取り合えずそのままで。

カセットテープを入れなくても再生すると回る様です。
X1Cにはテープが入っているかどうか判定するスイッチがありましたが、これにはありません。
早送り、巻き戻し、一時停止、停止、ライトプロテクトスイッチを押せば録音スイッチも押せます。
ちょっと停止スイッチに違和感がありますが、止まらない訳では無さそう。

ん~、割とアッサリ過ぎるけど恐らく問題はココから...



●録音と再生のテスト

その前に、カセットスロットが上蓋と一体らしく、ヘッドとピンチローラーの掃除がやりにくい...
どの道、一度バラして大掃除はするつもりですが録音と再生に異常が無ければ大掃除にも力が入るってものです。
なのでヘッドとピンチローラーを適当に掃除して、実験してみましょう。

取りあえずワカメになった要らないデータテープを回してみると、「CMT OUT端子」に繋いだヘッドホンから普通に聞こえます。
しかし、いつものピーギャラギャラ音と少し違う様な?
そこで、X1へのロード実績のあるD-07で再生してみると、明らかにDR-320の音が高く聞こえるので再生速度が速いのでしょうか?

それと、MONITOR LEVELの調整レバーがありますが内蔵スピーカーから全く音が出ません。
故障なのか仕様なのかも不明...


次に試してみるのは録音です。
方法は、DENONミニコンポ「D-07」のシンクロダビングを使って
JODAN-DOSをカセットアダプターへダビング
そのカセットアダプターの音声をDR-320で拾ってみます。
シンクロダビングとカセットアダプターを使う理由は、録音レベルを一定にしたかったからです。

同じ長さのテープ(10分テープ)でダビングしているのに、シンクロダビングよりDR-320の方が2分近く早く止まった気がします。
そして録音した音声を再生してみると、音声の方は録音されてますがノイズがとても大きく
さらに籠った音になっていて、このままでは使えそうにありません。

以上の事から追加で修理が必要な個所は
・「MONITOR LEVEL」か「内蔵スピーカー」不良
・「モーター速度の調整」
・「録音時のノイズ取り」
の3本でしょうか

モーター調整はやり方も載せてくれているので出来るかもしれません。
内蔵のスピーカーは、別に無くても良いですが可能であれば修理してみたい。
「録音時のノイズ取り」は何が原因なのか分かりません、電解コンデンサの交換が必要なのでしょうか...
さてさて、初心者のワタクシに直せるのかしらん?



●NEC PC-6082(DR-320)の修理に挑戦!!

まずは故障し易い所と修理方法を色々検索して、ノイズ取りのヒントを探します。
そこで、PC-6082で検索してみると、割と簡単にそれらしきものがヒット。
X1の検索難易度と違って、流石に後の後継機がメジャーをかっさらって行くだけはあります。
ユーザーの数の違いでしょうか?それともX1ユーザーがシャイでOUTPUTしないだけなのでしょうか?(面倒臭がりの可能性もw)

 「Framのレトロハードメンテナンス記録」さんによると
どうやら最初にみた大きなスイッチは、再生と録音の回路を切り替えるスイッチの様です。
そして、このスイッチが結構接点不良になったりするらしい。

録音がオカシイと言う事で、まずはこのスイッチを掃除してみましょう。
と言っても、エアーで吹いて接点復活剤をかけてガシャガシャ動かすだけ。
その他の差し込みジャックも接点清掃しておきました。
掃除後、何度もグリグリ動かしているうちに録音も正常に出来る様になり、
「録音時のノイズ取り」は意外とあっさりクリア。


続いて再生速度の調整です。

こちらのページを参考に。と言うか、写真付きで丁寧に書かれているので、そのまま実践すれば良いぐらい。
「BAKUTENDO」さんの手順を見てみると、PCで波形を見て調整するっていうフリーソフトを使う様です。
再生速度の基準テープを自分の手持ちで最も信頼出来る「DENON D-07」のミニコンポで作成しました。

あれ?モータの速度調整部分ですが、封印らしきテープに穴が開いています。
一度調整された感じでしょうか?古くなって速度が遅くなるなら分からないでもないですが
再生速度が凄く早くなっていた原因は前の使用者が調整したからなのかもしれませんね。


バラバラの状態でないと調整出来ないのが不便ですね。狂う度にそれなりの分解が必要になります。

調整終了。


調整前


調整後

一応範囲内の再生速度になっていると思いますが、時々再生速度が下がるような気がしないでもない。
あとは通常時から結構なノイズが聞こえるけど、大丈夫なんでしょうかねぇ。

実際の動作テストですが、生憎自分にはX1Cしかありません。
なので、データレコーダーで「X1ソフトを再生>カセットアダプター>X1C実機でロード」と言う回りくどい手法で確認したいと思います。

まずは手持ちで一番短いテープのJODAN-DOSでテストしてみましょう。
IPLからインフォメーションブロックは問題なし。ロードも無事に完了してアッサリ起動確認。

「おぉ~!使えるやん!!」

これじゃ皆さん納得しないだろうと言う訳で
皆大好き「X1ゼビウス」でロードテストです。

しかし、ロードエラーorz
いきなり欲張りすぎた....

次に試してみるのは
イナブキさんのBattleBattleです
IPLからのインフォメーションブロックは完璧なんですけどねぇ。

なんと、これまたロードエラー!
どうもチェックサムで蹴られている様ですね。
やはりノイズが多いからなのか、それとも再生速度にズレが生じている可能性があります。

そこで再度、再生速度を見てみると若干基準よりも遅くなっている様でした。
一応最初の時に合わせたはずなんですけど、今回は3kHzを下回らないギリギリで調整。

あと気になっていたのが、アースが貧相な気がします。
ケースはプラスチックで仕方ないのですが、ノイズシールドが弱く手に持った時にノイズが消えたりする事もあるので...
って、パーツを一つ付け忘れてましたorz

シールドの表と裏を繋ぐだけの金具なんですが、やはりノイズ取りアースが必要でした。
これを取り付けてみると、ノイズがかなり軽減された感じで何だかいけそうな気がする!!

再度イナブキさんのBattleBattleです。10分テープにX1C実機でSAVEしたバックアップ。
うほほい!余裕のロード完了。


次に、ゼビウスを試してみます。60分テープ。シンクロダビング法。
インフォメーションブロックすら読みません。

次は、ばってんタヌキの大冒険。20分テープ。シンクロダビング法。
インフォメーションブロックすら読みません。

次は、バルダーダッシュ。10分テープ。JODAN-DOSによるバックアップ。
余裕のロード完了。


シンクロダビングテープがシビアな感じでしょうか?X1Cの時も最初そうでしたね。
とすると、次にJODAN-DOSでバックアップが可能で、30分テープを使用したTROP-WAYでテストです。
インフォメーションブロックを無事通過。
このソフトは内蔵HuBASIC(mini?)を読み込んだあと、追加でデータを何個かロードするタイプ。
HuBASIC部分のロードが完了した後、少しの間プログラムが走る様でその後にロードが再開されます。
なので、その間だけ一瞬手動でカセットを一時停止させてみました。
その後のロードでも一瞬停止して再ロードを繰り返すのですが、そちらはそのまま放置。
で、問題無く起動しました。
 

やはり、シンクロダビング法のテープが全く読めない様です。
気になる点はインフォメーションブロックすら読まない所。
普通は読みにくいテープでもインフォメーションブロックは読めるけどロードエラーと言うのが一般的。

他のソフトで試してみました。
おぉ?マリオブラザーズスペシャルはインフォメーションブロックを通過しました。無事にロードも完了。

ふと気になった事を試してみましょう。
最近はソニーのカセットアダプターを使っているのですが、最初に買ったカセットアダプターはBluetooth化してしまったので
テスト用にカシムラのカセットアダプターをもう1個購入しました。
このソニーのカセットアダプターはヘッド位置を調整出来る為に、本来の性能以上のロード精度を発揮する可能性があったからです。
早速、カシムラのカセットアダプターで同じマリオをロード。
どうやら思い過ごしだったようです。無事にどちらでもロード可能でした。


何はともあれ、シンクロダビング法のテープも読める事が分かったので
あとはDR-320の精度やノイズの影響か、原盤テープが弱っていてバックアップが正常ではない可能性があります。

モノラルと言えばLチャンネルからしか音が出ない様ですが「モノラルをステレオに変換する事で、読み込み帯域が広くならないかな?」
と思い、間に変換コネクタを噛まして疑似ステレオでカセットアダプターに流す作戦。

配線を探してみましたが、モノラル<=>ステレオのケーブルが有ま.....せん!
ジャンクから何とかステレオジャックっぽいのをGETして
LR両方にLチャンネルが流れる様に配線して、モノラル<>疑似ステレオ変換ケーブルの完成♪

ゼビウスでリベンジしてみましたが、インフォメーションブロックすら読みません。
結局、ステレオ化は意味なかった模様?w

と言う訳で、シンクロダビング法の別のゲーム(パンチボールマリオ)を起動してみましょう。
無事起動しました。この起動するソフトとしないソフトの差が分かりません。
  
原盤テープにダメージを与えたくないので試していませんが、恐らくは原盤テープなら読める気がしないでもありません。

根本的にバックアップテープ自体が悪いのが原因かな?と思い
DR-320でインフォメーションブロックすら読まない「シンクロバックアップX1ゼビウス」を
試しに、DENONの「D-07」で再生してみました。
再生専用の1スロットではエラーが出たので、録音した2スロットで再生してみるとインフォメーションブロックは通過しました。

なんと、そのままPCG定義部分も通過。(PCG定義中はカセットデッキを一旦停止させました)

そして起動w

恐るべし、DENONのミニコンポ...


これでステージ開始位置さえメモっておけば、ミニコンポからゼビウスが起動出来る事が分かり
「30年前のデータレコーダーより、20年前のミニコンポ」(ただしリモートなし、どの道DR320だとデッキ制御手動)
と言う、再生速度の安定性、音声のクリア度ともに音楽再生用を舐めちゃいかんと言う結果になり
このデータレコーダーをどうしてやろうかと言う思いだけが残ったのでありました。


つづく


→続きを読む


DR-320(PC-6082)の修理-その2

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前回のつづき

一応動くようになったDR-320ですが、ロード可能なソフトもありますが
エラーになったりエラーすら出ないソフトが結構あります。

しかし、まだ諦めきれない。
機械部分を極力軽くして安定させる為に分解清掃を試みます。


●さらに奥まで分解整備

いざ分解し始めるのですが、素人の自分には上からバラすのか、下からバラすのかすら分からない始末。
 
上をバラしかけたものの、制御スイッチ周りからバラす必要がありそうだったので裏側に回ってみました。
フライホイールを外すのにも悩みます。

どうやら横から分解しないと最初のカバーが外れない模様。
 
何とかフライホイールを外したものの、ここからはEリングの嵐。

各ギアをそのまま掃除しつつ動かしてみましたが、どれも軽くて分解する必要があるのか?と思うほど。
本当は完全にバラして掃除してみたかったのですが、かえって悪くしそうな気がしたのでココで分解を断念。
この状態から出来るだけ掃除して、新しいグリスを塗って組み直しました。
実質フライホイールしか外せていないので効果は期待出来ないですが、これが限界なのかもしれません。

しかし、バックアップゼビウスのインフォメーションブロックすら読みませんでしたorz


「カセットテープが長いから重くてダメなのかな?」と思い、試しに別の60分テープで試してみました。
マクロスカウントダウン。これは60分テープを使ってJODAN-DOSでのバックアップです。
インフォメーションブロックは読みました。

最初の停止で巻き戻そうとした所で特殊ローダーに入った可能性ありますが再ロードスタート。
暫く読んで一旦停止した後、IPLリセットがかかった様になった時はデータレコーダーのポーズで停止
IPLロードが再開した時にポーズ解除で、どうやら1つ目のファイルを通過した模様。
2つ目のファイルロードに入りました。

DR-320のカウンターで60ぐらいまで読んでタイトルが表示されたので
恐らくPCG定義は通過、さらに読み込んでどうやら起動出来た模様...

「タイトルの色ってこんなだっけ?」と、変な気がしないでもないですが記憶違いかアプコンのせいにしておこうw


ゲームが開始出来たと言う事で、60分テープという長さのせいでは無く、ゼビウスとばってんタヌキの音声データの劣化が読めない原因?
それでも実機では読めるので、さらにDR-320の精度を上げる方法を模索します。


接点などの掃除でノイズは軽減されましたが、若干音量が波打って安定していないような気がします。
これと言った解決策が分からないので、コンデンサの交換でどれぐらい変わるのか勉強の為に交換してみようと思います。
電解コンデンサの数は全27個。
意外と多いなぁ...まぁ部品代は500円前後だろうから練習も兼ねて頑張って交換してみたいと思います。


平行して再び分解。今回はEリングも少し外して清掃とグリスアップ。
  
黄色い塊が古いグリスでコテコテですね。分解して良かった。

電解コンデンサの仕入れのついでに千石電商さんでベルトも調達。
前回徘徊したホームページを参考に
・モーター~フライホイール間:φ80×1.2T(元はブチル系で溶けていた)
・フライホイールから巻き取り駆動系?:φ45×0.95T(特に問題なさそうだが念のため交換)
・カウンター用ベルトφ40×0.95T(そのまま使えそうだったので、今回は購入なし)

基盤の上下段と電源トランス部分だけハンダを吸い取らずに切り離せないので、少し作業がやりにくいです。
一部、液漏れしてそうなコンデンサがありました。

少しだけ漏れたような跡があったり無かったり。
問題なくコンデンサ交換は完了。写真は撮り忘れましたorz

ついでにノイズの原因かもしれないスイッチを分解して掃除してみようと思います。
前回は接点復活スプレーをかけてガシャガシャしただけでした。
 
分解してみるとそれなりに汚かったので、目の細かい耐水ペーパーで磨いて接点復活剤をかけておきます。

元通りに組み直してゼビウスでテストしてみましょう。
そしてインフォメーションブロック通過!!
しかしチェックサムで弾かれたorz
ぐぞぉ~何が悪いのか...



●起動はするけど...

そこで再びパソコンで再生速度を見てみると、ちょっとだけ速度が上がった模様?
ベルトを交換したからかもしれません。
またまた速度調整します。もう何回目でしょうかw
このデレコ、意外とバラしにくいんですよねぇ...
底面では無く蓋側にデッキも基盤も付いていて、蓋側から切り離さないととモーター速度の調整が出来ないと言う...

速度調整してゼビウスにトライするもチェックサムに蹴られます。
めげずにLOAD LEVEL(音量)を上げたり下げたりと、何度もチャレンジするもダメ。
しかし、コンデンサとベルトを交換してからの速度調整で、インフォメーションブロックはホボ通過する様になりました。
ばってんタヌキの大冒険は、相変わらずインフォメーションブロックすら読みません。

「えぇい、こうなったら本体を立てて負荷を減らす作戦でどうだ!!」
良くあるじゃないですか、プレステ1とか本体を裏返すとロードする様になるとか。

「...」

インフォメーションブロックは通過

うぉーーーーーー!!PCG定義のチェックサム通過したっ!!

そして、ステージ1、2、3、ひゃっはーーー!!

良く分かりませんが、本体を立てる事で負荷が減るのか読み込み位置が変わるのかノイズが減るのか...

「足元から何かノイズが発生しているのかな?」と思い、原因を探るべく今度は場所を机の上に変えて普通に正位置に置いてロード。
しかしチェックサムで蹴られたorz

横向きにする事でDR-320自身のノイズを拾うのか、ロードに負荷がかかるのか。
何とか横向きの正位置でロード出来る場所が無いか探してみますが、鉄板の上でもダメ。

場所を変えて何度やっても同じ結果なので外的要因では無い様です。
内部的なノイズか、重力による影響の2択?
またまた自分の耳で聞いてみて、ノイズの変化がないか調べてみるも変化なし。
そこで裏返してロードしてみました。

うわーーー裏返しでも起動した!
 
つまり、正位置以外では起動すると言う罠。

これはフライホイールのせい?
今まで見てきた大体のフライホイールの構造は似ていて、
基本的に固定された部品では無く裏側の支えによって押さえられているだけです。
縦に置いた状態ではキャプスタン軸で支えられ、裏返しに置いた時はワッシャに支えられ
正位置に置いた時は、X1CもDR-320も鉄板に付いている軸受で支えられます。
この軸受を締め過ぎてる可能性?

まずイジる前にデータから分析。と言っても回転速度が変化するかどうかを見るぐらいしか出来ませんが。

正位置


縦置き

あら、どちらの再生速度も若干早いですね。温度や湿度、グリスやモーターの状態によって変わるのでしょうか?
しかし、正位置でも立てても速度に大差は無し。波形が山なりになっていますが、アースか何か付いていなかった時かも。
分解し過ぎでどの状態で計測したものか忘れてしまいましたorz

この状態でロードしてみると、やはり正位置ではインフォメーションブロックすらエラーで蹴られますが
立てるとインフォメーションブロックは通過し、今回はPCG定義前のチェックサムで蹴られました。
微妙な再生速度の変化が影響しているのでしょうか?

ん~全く解決の糸口が見つからない。
一体、立ててロードする事で何が良くなって読めるようになっているんだぁ~orz


少し情報を整理してみましょう。
忘れてはいけませんが、今やっている事は「読み難いテープを如何にして読める様にチューン出来るか?」と言う事です。

60分テープのマクロスカウントダウンは、ロード時に簡単なテープ制御をしていますが
DR-320のPAUSE機能を使う事で何度ロードしても(手動制御に失敗しなければ)起動可能です。
つまり、カセットテープの長さやテープ制御は関係ありません。

やはりバックアップテープが読み難いのが原因なのでしょうか。
しかし、シンクロダビングテープでも起動するソフトは沢山あります。

となってくると、「DR-320でゼビウスのバックアップテープを作ってしまえばどうか?」
と言う結論に至りました。



●DR-320でバックアップテープの作製

ゼビウスが
・60分テープで、それなりの負荷がある。
・PCG定義以降は特殊ローダー?
・実機では100%起動
・DENONミニコンポでは録音スロットで起動する
・DR-320では起動しない
と言う、丁度良い検証テープな様なのでゼビウスに拘っています。

原盤を無暗に使いたくない為に、まずはバックアップのゼビウスで実験
それでダメそうなら原盤のゼビウスで実験したいと思います。

ゼビウスの起動に成功したミニコンポ「DENON D-07」のカセットスロットにて、X1Cが読み取った音量で再生。
ヘッドホン出力の音声を、DR-320のCMT INで録音を試みます。

取りあえずステージデータは3面まであれば起動するので適当な所で止めます。
音声を聞いてみると、音量デカすぎたかもorz
そこで、LOAD LEVELを少し落として、X1C実機へロード開始です。

そうすると、今回は正位置でも全く問題が出ずロード完了。そして起動。
 

やはり、予想通りシンクロダビングテープがあまり良くないのは間違いなさそうです。
DR-320へ音量UPダビングしたテープを使えばDR-320で何度ロードしても成功します。
しかしこのテープをX1C実機でロードしてみると、PCG定義のチェックサムで蹴られてしまうと言う...
ヘッド位置が問題なのか、再生速度がシビアな可能性がありますね。

ここまでテープの巻き込みなど一切なく、抜群の走行安定性を見せているDR-320ですので、もう最後のテストを試みます。
極力使いたくはなかったけど、原盤ゼビウスを回して起動すればロードに関しては完全動作で間違いないでしょう。


インフォメーションブロックを難なくクリアし、PCG定義通過で確定路線です。
 
 

ミッション、コンプリーーーーーートっ!!!
  


●まとめ

まだ100%ではありませんが、市販ソフトの読み込みと実機からの保存と読み込みは出来るようになりました。
動作するようになってからの調整が思った以上に大変で、
データレコーダーは再生速度とノイズに問題が発生しやすいのでしょうか?
シンクロダビングテープに問題がある可能性も高そうですが、
データレコーダーでエラーになるのに、X1C実機で読めるのは性能の差なんでしょうか?
今回はロードする事を目的に整備しているので、その他の不具合があるかもしれません。

色々試してみて、一つ分かった事は
「 カセットテープはダビングするとカセットデッキの癖が付く 」

DENON D-07で録音>D-07からカセットアダプター経由で実機X1Cならゼビウスが起動、実機でも起動
DR-320で録音>DR-380からカセットアダプター経由で実機X1Cならゼビウスが起動、実機ではエラー
と言う様に、録音した機械とカセットテープのセットでは起動する事が可能な事から
カセットデッキには固有の癖(速度やヘッド位置など)があり、
ダビング時に再生デッキと録音デッキとの差分だけ、微妙に色々ズレてしまう様です。
なので、複製の複製を作っていくと何時かは読めないテープが出来てしまうのではないでしょうか。
理想はモノラルの等速ダビングですが、そんなもの今の時代に手に入るのか不明です。


残す不具合は内蔵スピーカーが鳴らない事ですが、
回路的に問題がありそうな感じで自分の今のレベルでは特定が難しそうな為、一旦保留にしたいと思います。
また、色々な操作ボタンがありますが、説明書が無く操作方法が分からなかったので、そちらのテストも情報が見つかるまで保留と言う事で。

修理の記事としては見難いので、後に修理用まとめ記事を作りたいと思っています(思ってるだけ...)


以上、DR-320(PC-6082)の修理でした。

レトロゲーマーへの道

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●レトロゲーマーへの道 投稿日順
レトロなハード、主にシャープ(SHARP)X1C(CZ-801C)で遊んでみようと言う企画です。
 ~まえがき                 2016. 9.14
 ~現状確認と画面表示            2016. 9.20
 ~X1Cカセットデッキ修理         2016. 9.23
 ~ゴムベルトの自作             2016. 9.26
 ~X1ソフトのバックアップ方法を考える   2016. 9.30
 ~JODAN-DOSを手に入れろ!     2016.10. 3
 ~X1Cカセットデッキの命日?       2016.10. 6
 ~X1Cカセットデッキ修理-その2     2016.11. 8
 ~本体の電源負担を考える          2016.11.16
 ~実践!実機でカセットのバックアップ    2016.11.24
 ~X1Cの画像キャプチャーを試みる     2016.11.26
 ~LEDライトの製作            2016.12. 7
 ~X1専用コントローラーの作製       2016.12. 8
 ~Bluetoothカセットアダプターの製作実験   2016.12.13
 ~新たな表示方法の確保           2016.12.20
 ~X1C(15KHz)をカーナビモニターに映す   2017. 1. 1
 ~JODAN-DOSを手に入れろ!アゲイン 2017. 1. 9
 ~X1Cカセットデッキ修理-その3     2017. 1.11
 ~RGBビデオコンバータの搭載       2017. 1.12
 ~X1C専属ミニコンポ「D-07」     2017. 1.13
  ~X1ソフトの新たなるバックアップ方法   2017. 1.26
 ~X1Cカセットデッキ修理-その4     2017. 1.30
 ~X1ソフトのバックアップ最終調整     2017. 2. 2
 ~X1C専用ゴムベルトの作製        2017. 2. 8
 ~X1C、電源の故障!?          2017. 2.13
 ~X1Cカセットデッキ修理-中間まとめ   2017. 3.12
 ~X1Cを強引にキャプチャーしてみた    2017. 3.26
 ~X1フリーゲームを実機で動かす      2017. 4. 3
 ~X1CをLEDレグザに表示        2017. 4.16
 ~X1CをLEDレグザに表示-その2    2017. 4.27
 ~X1CをLEDレグザに表示-その3    2017. 5. 4
 ~X1専用コントローラーの改良       2017. 5. 8
 ~X1の表示問題を探る           2017. 5.14
  ~X1をHDMIで表示する-その1     2017. 5.27
 ~X1をHDMIで表示する-その2     2017. 5.29
 ~X1をHDMIで表示する-その3     2017. 6. 4
 ~X1アプリケーションソフト(V2.0)     2017. 6.11
 ~スキャンコンバータユニットの作製     2017. 6.18
 ~スキャンコンバータユニットの作製-その2 2017. 6.21
 ~15kHzRGBナビモニターの改良    2017. 6.28
 ~X1Cカセットデッキ修理-その5     2017. 7.19
 ~あとがき                 2017. 7.24
 

項目別一覧メニュー

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●項目別メニュー

○X1カセットテープソフト
 ~X1ソフトのバックアップ方法を考える   2016. 9.30
 ~JODAN-DOSを手に入れろ!     2016.10. 3
 ~実践!実機でカセットのバックアップ    2016.11.24
 ~JODAN-DOSを手に入れろ!アゲイン 2017. 1. 9
  ~X1ソフトの新たなるバックアップ方法   2017. 1.26
 ~X1ソフトのバックアップ最終調整     2017. 2. 2
 ~X1フリーゲームを実機で動かす      2017. 4. 3
 ~X1アプリケーションソフト(V2.0)     2017. 6.11

○X1カセットデッキ
 ~X1Cカセットデッキ修理         2016. 9.23
 ~ゴムベルトの自作             2016. 9.26
 ~X1Cカセットデッキの命日?       2016.10. 6   
 ~X1Cカセットデッキ修理-その2     2016.11. 8
 ~X1Cカセットデッキ修理-その3     2017. 1.11
 ~X1Cカセットデッキ修理-その4     2017. 1.30
 ~X1C専用ゴムベルトの作製        2017. 2. 8
 ~X1Cカセットデッキ修理-中間まとめ   2017. 3.12
 ~X1Cカセットデッキ修理-その5     2017. 7.19

○X1画面表示、キャプチャー
 ~現状確認と画面表示            2016. 9.20  
 ~X1Cの画像キャプチャーを試みる     2016.11.26
 ~新たな表示方法の確保           2016.12.20
 ~X1C(15KHz)をカーナビモニターに映す   2017. 1. 1
 ~RGBビデオコンバータの搭載       2017. 1.12 
 ~X1Cを強引にキャプチャーしてみた    2017. 3.26
 ~X1CをLEDレグザに表示        2017. 4.16
 ~X1CをLEDレグザに表示-その2    2017. 4.27
 ~X1CをLEDレグザに表示-その3    2017. 5. 4
 ~X1の表示問題を探る           2017. 5.14
  ~X1をHDMIで表示する-その1     2017. 5.27
 ~X1をHDMIで表示する-その2     2017. 5.29
 ~X1をHDMIで表示する-その3     2017. 6. 4
 ~スキャンコンバータユニットの作製     2017. 6.18
 ~スキャンコンバータユニットの作製-その2 2017. 6.21
 ~15kHzRGBナビモニターの改良    2017. 6.28    

〇X1本体、電源、その他
 ~本体の電源負担を考える          2016.11.16
 ~X1専用コントローラーの作製       2016.12. 8
 ~X1C専属ミニコンポ「D-07」     2017. 1.13
 ~X1C、電源の故障!?          2017. 2.13
 ~X1専用コントローラーの改良       2017. 5. 8

○データレコーダー
 DR-320(PC-6082)の修理-その1       2017. 8.12
DR-320(PC-6082)の修理-その2       2017. 8.20

〇その他工作
 ~LEDライトの製作            2016.12. 7
 ~Bluetoothカセットアダプターの製作実験   2016.12.13

○雑記
 レトロゲーマーへの道~まえがき       2016. 9.14
 レトロゲーマーへの道~あとがき       2017. 7.24

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***************  お約束  ******  Caution!!  *****************
記事は、あくまでも「読み物」として閲覧して下さい。
当ブログを参考に作業をする場合は、十分な工作の知識を学習の上、全て自己責任で行ってください。
ここでで紹介している分解修理、制作方法を参考にして行った作業が、全く同じ結果や安全を保証するものではありません。
分解、修理、制作には、二次的な故障・ショート・発火、その他作業によるケガや、財産を消失する恐れもあります。
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●レトロジャンカーへの道(仮)
X1Cで遊んだ事により、レトロなハード弄りの楽しさに目覚めてしまった素人の行く末は如何に?
DR-320(PC-6082)の修理-その2       2017. 8.20
DR-320(PC-6082)の修理-その1       2017. 8.12


●レトロゲーマーへの道        (2016. 9.14 ~ 2017. 7.24)
素人がレトロPC「SHARP X1C(CZ-801C)」を復活させようとするとどうなるか...
カセットテープソフト、画面表示、カセットデッキ等、実機X1Cで遊ぶためのヒントにでもなれば幸いです。


●総合項目別メニュー
レトロシリーズの記事を仕分けたメニューです。
ダラダラ文章なので、どのみち目的の内容に辿りつけるかは微妙ですが...

ラジカセバックアップを極める

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ソフトのバックアップはデリケートな部分なので今回も一応書いておきましょう。

このバックアップ方法は、経年劣化でカセットテープが破損する可能性が高い為、資産を保護する為の方法です。
原盤無きバックアップの使用は著作権法違反になりますのでご注意下さい。
またバックアップテープの配布や、他人のバックアップテープの使用も罪に問われる可能性がありますので
くれぐれも本来の目的以外でバックアップを作らないよう、ご注意下さいませ。


さて、前回DR-320の修理をした時にX1ゼビウスをミニコンポ「DENON D-07」で起動させてみると
左の再生専用のドライブではロードエラーになり、右の録音ドライブでは起動しました。

「この差は何なのかな?」と思い、DR-320の修理時に再生速度を見る方法を覚えたので
DENONミニコンポの各カセットドライブの再生速度を見てみると
右側(2番ドライブの録音側)は3kHzからホボ動きませんが、左側(1番ドライブ再生のみ)が時々3kHzを切る時があります。

つまり、シンクロダビングしている時も、ホンの少しですが再生速度がズレた状態でダビングしていた事になります。
左右のデッキに差が出ている原因とし考えられることは、昔は左側の再生のみのカセットデッキばかり使っていた記憶があるので
使用頻度が多かった方が、より劣化やグリス切れが起こりやすく再生速度がズレるのではないでしょうか。
なので再度バラシて調整してみる事にしました。今回はベルトも交換してみましょう。



●DENON D-07の再調整

2,3度バラしているので特に難しい所もなく。
ベルトも比較的交換し易く、フライホイールやモーター等を外す必要がありません。
古い個体で特別高価なレア物でもないので、道中は省略。

組み直しながら適当な所で動作テストです。(完全に組むと調整が出来ないので)


まずは再生速度から。

ベルトを交換した事で、左右とも若干再生速度が低下した様なのでモーターの裏ネジで調整。
カセットデッキに使われるモーターには、大抵モーター自体に調整機構が付いています。


カセットデッキと基盤の構成によっては窮屈な作業になるのでショートに注意。
柄がプラスチックのドライバーか、精密ドライバーにテープ等を巻いておくと少しは安心。
このミニコンポは写真の反対側に基盤が縦付されているため、奥のデッキもこちらから調整する必要があり
通電したまま手を突っ込むので結構危険です。


両方のデッキを同じに調整。これでシンクロ率が上がったはず!!


お次はアジマス調整。
データレコーダーはモノラルなのでこの様な波形にはなりませんが、ステレオデッキなら可能です。
・左の再生専用デッキ


・右の録音デッキ

同じミニコンポ内の左右のデッキで、これだけの差がありました。
斜め一直線が正しい位置なのですが、右の録音デッキの精度が絶対的に正しいと言う訳ではなく
この録音デッキで録音したテープを再生しているので綺麗な波形になっているだけなのです。

しかし今回問題になるのは、”左右のデッキの差”ですので、多少狂った位置でも左右同じ状態であれば
シンクロダビングすれば基本的に同じカセットテープが出来上がるはずです。
もちろん音量が狂うぐらいアジマスがズレている場合は別の話ですので誤解しないように。



●バックアップの作り直し

早速、読み難かったX1ソフトのバックアップを作り直してみます。。
これで読みやすくなると、今までもシンクロダビングの時点で速度の微妙なズレがあった事になります。

再度バックアップを作り直した「カムイの剣」をX1C実機でロードしてみましょう。
これは90分テープと長く、今まではシンクロバックアップではタイトルまでも行かず
JODAN-DOSとHuBASICを使って無理やりタイトルまで起動させるのがやっとでした。

おっしゃータイトルまで起動!!
 
その後のロードも問題なく進みゲームスタート!!

アプコンのせいで凄い縞々ですが、無事に起動確認出来ました。
以降はデータ毎の短いロードなので劣化していない限りエラーは出にくいはず。

にしても相変わらずの描画速度でw
1場面移動毎にカセットテープのロードと描画の待ち時間が生き地獄。
昔の人は良くこんなのでアドベンチャーゲームなんて遊んでたなぁ~って関心させられます。

はっ!自分のアドベンチャーゲーム嫌いって、ひょっとしてコレのせい?w
まぁ今思うと、トラウマになっていても不思議は無いレベルです。
特定のコマンドしか受け付けて貰えないってのも、子供には難易度高すぎなんですよね。

実機でも読み難かった「ばってんタヌキの大冒険」も試してみます。

問題なし。これで、それなりに高い精度のバックアップが取れる事が実証されたのではないでしょうか。

しかし調整前から読めていたソフトも多々あるので、これがボーレートの差なのでしょうか?
ボーレートが高い=短い周期の波形で沢山のデータを読む事だと思っているので
少しのズレがロードエラーに繋がるのではないかと。
ソフト毎に変更出来るものなのか、詳細な所は素人の自分には分かりませんが...
もしくは、単なるテープの劣化で精度が上がったから読めただけなのかもしれません。



●まとめ

何とか所持するソフトの全てのバックアップを取る事が出来たので、いつでも安心して実機で遊べるようになりました。

結論として、ラジカセバックアップに必要な事は「アジマスと再生速度を、再生デッキと録音デッキで揃える事」でした。

唯一の問題点は、ステレオ録音って所でしょうか。
モノラル>ステレオバックアップになるため、デッキのアジマスの位置によっては実機で読めない可能性はあります。
自分の様に実機のアジマスを調整すれば原盤もバックアップも両方読める様になりますが、
失敗すると全く読めなくなる可能性がある上に調整方法も確立出来ていないので、実機側の調整は万人にはお勧めはしません。
それでもダビングバックアップを使いたい場合、捨てるつもりでカセットデッキ側のアジマスを調整する手はありますね。

その後、カセットプロテクトについて調べている時に発見した記事
どうも、原盤を読めるギリギリのレベルにまで調整し、ダビングによる劣化を考慮したプロテクトもあったそうです。
インフォメーションブロック手前からノイズの様なものが入っている「ばってんタヌキの大冒険」は
ダビング防止の為にワザとノイズを入れているのかもしれません。
実際に原盤ではロード可能なのに、シンクロダビングでは極端に読み難くなるソフトはいくつかありました。
また、この手のソフトは実機では問題なく読めているのに、カセットアダプター経由のデータレコーダーでは読めない事があります。


今回のバックアップのポイントは、調整されたWカセットデッキ(理想はシンクロダビング機能付き)があれば
バックアップ自体は簡単に取れると言う事。
精度が高く無駄な音質変換をしていないWカセットデッキほど、より良いと思われます。
もちろん、過去にも書きましたがカセットテープには色々なプロテクトがありますので、そちらの対策は必要です。

テープ劣化などで音量が低下してしまったものや、ダビングを意識したノイズプロテクト的な物には今回のバックアップは向きません。
音量低下の場合は2つのデッキを使用しての音量UPバックアップをする事になりますが、これまた色々大変なので
追々テスト結果などを上げて行きたいと思います。


ボーレートが高いと言われるX1ソフトが起動すると言う事で、
MSXやPC6001、FM-7やその他のカセットテープソフトも同様にバックアップが取れると思います。

「CZ-8RL1が高くて買えねぇ!」
「そもそもケーブル作れねぇ!」
「カセットテープ実機で遊びてぇ!!」
「でも原盤使い続けるの怖ぇ~!!」

って方には、割とお勧めのバックアップ方法ですので、使わなくなったWラジカセで実験してみては如何でしょうか?
(まぁアジマス調整と再生速度の調整出来る器用さなら、専用ケーブルも作れそうな感じですが...)

以上、Wカセットデッキによるバックアップでした。


関連記事:~X1C専属ミニコンポ「D-07」
     ~X1ソフトの新たなるバックアップ方法
     ~X1ソフトのバックアップ最終調整

カセットソフトのバックアップ(リニアPCM編)

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過去にPCへのWAV取込みを目論見ましたが、ノイズが多いのか上手くいきませんでした。

そこで登場、リニアPCMレコーダー。
これに録音すればノイズの多いPC本体に取り込まなくてもカセットのバックアップが簡単に出来るのでは?と言う考え。

存在自体は知っていましたが「レトロゲーマーへの道」では安く上げる為にあえて使わなかった品物です。
1万円ぐらいする物と思っていたのですが、機能が最低限のものなら新品で7000円ぐらいまで下がってたので購入してみました。
普通のICレコーダーは安価にありますが音声データが圧縮されてしまう事でデータが読めなくなってしまうそうなので
「リニアPCM録音」(要するに非圧縮)が最低条件の様です。

PCの様に内部ノイズに悩まされないのと小回りが利くのがよさげです。
今回購入した本体の型番はSONY「ICD-UX533FA」です。
  
これを選んだ理由は、
・44.1kHz16bitのリニアPCM録音が可能
・USB接続でPCへ簡単にファイルを取り込める。
・USBで充電出来る
・マイク入力とヘッドホン出力に普通のステレオジャックを同時に刺せるタイプ
・集音する訳では無いので高性能マイクが付いていないシンプルな形状
・単四電池1個で駆動する。
・充電可能ニッケル水素電池(単四)が付いている。
・上記を満たした中で値段が一番安い。
まぁ、この辺り。
基本的にICレコーダーの用途が会話の録音がメインになっているので
無駄に高性能なマイクが付いていたりすると使わない機能なのに金額だけが上がってしまう感じでした。
あとは、著作権の関係かどうなのかPCとのデータのやり取りが面倒な製品があるので注意が必要そう。

普段からICレコーダーを使っている方には作りが安っぽくて付属品も少なく機能的にも不満点があるようですが、
自分には必要十分な商品です。
一つ問題点を挙げるとすれば、MP3のモノラル録音はある様ですがリニアPCMでモノラル録音が無さそうな点。

エミュレータで読めるイメージにする場合の条件にモノラルである必要があるので、録音後にモノラル変換する必要があるのでしょうか。
今回は特にエミュレータ用のイメージ化の事は考えていなくて、カセットテープのバックアップをデジタル保存するのが目的です。

その他の機能として、シンクロ録音機能と言うのがあって無音部分でファイルを自動分割してくれるそうです。
ファイル単位で分割出来るのでBASICなどで短いファイルが大量にある場合は便利かもしれませんね。

シンクロダビングしたバックアップのゼビウスをステージ3までストレートで録音してみました。

DENON D-07(ミニコンポ)ヘッドホン出力>リニアPCMレコーダー

そのままレコーダーの操作なしでロードテストをしてみましょう。
リニアPCMレコーダー>カセットアダプター>実機X1C
  
超絶余裕のロード完了...

ステージを分割しても良いかと思いましたが、ステージ毎にファイルを選ぶのが面倒です。
またX1Cがデータなしと勘違いして巻き戻すのもアレなんで。

このPCMレコーダーには「トラックマーク」と言う機能があり、ファイルの途中でマークを付けて簡単に頭出しが出来る機能もあるので
そちらの方が現実的かもしれませんね。
APSS(X1の無音検索頭出し機能)などでファイル数を数えていたら無理ですが、ゼビウスの様に普通にデータを探すだけのプログラムなら
このマークを呼び出して再生すれば、さながらテープ制御している様になる気がします。

その他のソフトで、実機でも読み難かったバックアップテープ「ばってんタヌキの大冒険」でもテストしてみました。
 
こちらも全く問題なく起動しました。
シンクロダビングでは不可能だった「音量UPによるバックアップが可能になった事」で、劣化したテープにも使えそうです。
リニアPCMで録音する時に、適正レベルメーターがあるので
これを頃合いの音量に設定する事でテープの劣化によるレベル低下に左右されず、取り込める様になりました。

シンクロバックアップで読み難いテープは原盤の音量が少し小さい感じなので、録音レベルを調整してあげると良さそうでした。


念の為、書き戻してみましょう。
取りあえずは音量そのままでリニアPCMレコーダーのヘッドホン出力からDENON D-07のライン入力に入れて録音してみました。
その書き戻したテープを実機のX1Cに入れて再生すると、余裕でロード完了....しないorz
インフォメーションブロックすら読みません。
試しに音声を聞いてみると、音量がかなり小さいです。

と言う訳でライン入力ではなく、マイク入力から書き戻してみる事にしました。
このDENON D-07ミニコンポの欠点はレベルメーターが無い事。
録音レベルが全く分からないんですよね。
ヘッドホンの音量はアンプを通した後の音なのでボリュームに左右されてしまいますが録音には反映されません。
取りあえずマイク入力レベルを真ん中にして録音してみましょう。


ん~まだボリュームが小さそう。
なのでマイク入力レベルMAXで再度録音してみましたがそれでもボリュームが小さめな気がします。
案の定、チェックサムで蹴られました。
リニアPCMレコーダーのボリュームを上げれば問題ないと思いますが
再生ボリュームが「直接再生」と「書き戻し再生」で違うと色々面倒なので、他の手を考えます。

次に試す事はカセットアダプターを使った書き戻し。
音量を同じにするにはこれが一番かもしれません。
前回、左右同じになる様に調整したので信頼してみましょう。

左の再生デッキにカセットアダプターを入れて、右の録音デッキにカセットテープを入れます。
シンクロダビングをスタートして、リニアPCMレコーダーを再生。終了時は録音側のテープエンドで止まります。


実機でロードしてみると問題無く書き戻しが可能な事が分かりました。
しまった、起動した所の写真が無いorz
まぁ何かが繋がってる訳でもなく、何の証明にもならないから必要ないと思って撮ってなかった可能性。

夢の中の出来事だったら困るので、別の日にもう一度書き戻してみました。
   
ゼビウスとばってんタヌキの大冒険ですが、どちらも1発ロード完了です。
(やはりレコーダーを置いてるだけで、何の証明にもならなかったorz)

信じるか信じないかは、あなた次第!!



●まとめ

完璧ではありませんがカセットテープのデジタル化が完了してテープの劣化の心配が少し減りました。

DENON「D-07」の録音カセットドライブが安定してゲームロードも可能なので精度が高そうです。
なので、この安定したカセットドライブから全てのソフトをリニアPCM録音してPCにバックアップを作りました。
40本ほどのソフトですが、DVD1枚で収まりきらない大容量にw
カセットテープのA面B面と分けてバックアップしたので、2枚に分けて保存しました。
単純にこのWAVをカセットテープに書き戻せば問題ないはずです。

ステレオ録音になるので完全ではありませんが、”再生速度が正確なカセットデッキ”があるなら
バックアップとしては使えると思いました。
再生速度が正確では無くても安定さえしていれば、録音可能なデッキで再生しリニアPCMでバックアップしておけば
録音時と同じデッキへ書き戻す事により再生速度が同じになるはずなので理論上は問題ないと思います。

注意点として、書き戻し時にカセットアダプター経由で戻す方が、音量調整が不要なので成功率が高そうです。
この場合はカセットアダプター側のモーター速度は加味されないため、左右のデッキ差は気にする必要がなく
録音デッキの再生速度さえ合っていれば問題無い事になります。
アジマスの問題があるので100%どのデッキでも可能な方法とは言えませんが調整は可能でしょう。

バックアップ以外の用途として、カセットアダプター経由で実機に流し込むことにより
カセットデッキの機械的な部分が問題なのか電子回路的な部分が問題なのか、原因切り分けにも使えそうです。

自分が購入したこの機種はx1tapeなどで変換したWAVファイルの場合は直接再生出来ません。
しかし「SoundEngine Free」などで簡単に44.1kHz16bit2チャンネルに変換できるので
「リニアPCMレコーダー+カセットアダプター」で記録メディアとして十分機能しそうです。

また、取り込んだWAVデータをBluetoothの使える機器に入れておけば、
自作のBluetoothカセットアダプターを使ってワイヤレスロードが可能となります。
特殊な制御をしているソフトはそのままでは不可能ですが、無音部分でファイルを分割しておけばゼビウスなどは遊べる事になります。

今回はバックアップが目的だったのでエミュレータで使えるイメージ変換は試していませんが、
別の機会にtapファイルへのイメージファイル化が可能なのかチャレンジしてみたいと思います。


ハイテクなのかローテクなのか分からないリニアPCMレコーダーによるバックアップなのでした。

CZ-800C(X1マニアタイプ)の修理-その1

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ちょっと、ヤヴァイものに手をだしたかも知れない...
素人にしては、いきなりハードルを上げ過ぎた感じです。

CZ-800C(X1マニアタイプ)ローズレッドをGETしました。
まぁジャンクなんですけど、電源かメインボードがダメなのかIPL待ち受けまで行かないとか。

しかし、マニアタイプのローズレッドはX1ユーザーなら誰しも1度は憧れる逸品
いまのシルバーのX1Cより断然レトロインテリアとしても見栄えが良い!(出品物は、あまり綺麗では無さそうだけど)
欲しい時に、中々出てこないものなので1度はチャレンジしてみたいですよね。
おまけでデジタルテロッパとゲームがなんか付いてくるらしいのですが
今回特別欲しかったのは、「キーボード」と「マニアタイプのグラフィックRAM(G-RAM)」

キーボードの方は大体察しが付くかもしれませんが、本体に比べキーボードの数が圧倒的に少ないX1。
また、X1Cのキーボード自体が不安なので外部キーボードとしてストックしておきたいのと
X1Cって全体がコンパクトにまとまっている様に見えて実は電源もカセットデッキも全て机の上に置く
昔の「ラップトップパソコン」に近いイメージなんですよね。
TURBOのキーボードはバカ高いし、マニアタイプのキーボードは同時押し不可?な上メカスイッチで分厚いけど
本体とは別にキーボードが欲しかったのです。勿論、X1マニアタイプのインテリアとしても申し分なし。

もう一つのG-RAM。
時々CZ-800Cのジャンクが出ているのですが、キーボードが無かったりする事が多いのに加え
X1に興味が無い人の場合、G-RAMが付いているか付いていないかが大抵は書かれていません。
「通電確認のみ、写真が全て」と書かれても中身までは全く想像できません。(背面の写真があればボードは推測できますが)
G-RAMのないCZ-800Cは遊べないゲームが凄く多いのでインテリアにしかならないので悩み所でした。
まぁ昔のCZ-800C所持者なら大抵はオプションで付けていたのでしょうが、中古だと抜かれている可能性もあり
もし無かった時は、購入手段がまたヤフオクの博打になってしまいます。
このG-RAMが正常かどうかは分かりませんが、次回からはジャンク本体のみ買えばボードは使いまわせる事になり、
トラブルシューティングで切り離しにも使えます。


自分には時期尚早な可能性も高そうですが、次のチャンスがいつになるか分からないので購入に踏み切りました。
修理に関して、検索してもズバリ修理方法等が出てない所が「攻略本の無いゲーム」を遊んでいる感じで良いんですよね。
なかなか難易度は高めですが、ゲーマーにとっては無理ゲーと言う程でも無い気がするので、頑張ってみましょう。



●開封の儀 
 
左から、ローズレッド本体、デジタルテロッパ、キーボード、ゲーム
なかなか丁寧に梱包してくれていて良かったと思います。


まずは、おまけのカセットゲーム「女囚サソリ」です。

落札画面では特にX1用とは書いてなかったし、別機種用の可能性もありましたがX1用で間違いなさそうです。
しかしネットで検索しても、このゲームの事が一切出てこねぇ...
小説や映画で有名なタイトルの様で、マニアにはトンデモ商品...って事は流石にないかw
どうやら他商標の企画物のソフトを出してる会社なのでしょうか?
「FILCOM」「CSKソフトウェアプロダクツ」「木屋通商」辺りのワードでググると色々出てくる様です。

にしても、このパッケージだと全く売れそうにないゲームなんですがw

値段は普通のゲーム並みなのに、内容が全く分からないし...
かなり自信があったのか、そう言うブランドを作りたかったのか。

パッケージは少しシミてます。
カセットテープを確認してみると...ナニコレメッチャキレイ!

手持ちのゲームでもここまで綺麗な状態のテープは少ないです。
恐らく、ほとんど使われる事はなかったと思われるぐらい磁性体が色濃く、艶もありますね。
普通は古いソフトほど、ピンボールみたいに艶が無くなり白くカサカサになって読めなくなってしまうものです。

(艶の無くなったソフト。データを読み難い可能性があります。)

乾燥剤が入れられてるのが好感度UP。
まぁいくら綺麗でも磁気に当てられてたら全くダメですけどね...
チェックは別の機会にでも。


お次はパーソナルテロッパ(CZ-8DT2)です。
届いたままの状態なので、全く掃除してない見苦しい写真で失礼。
  

このパーソナルテロッパは、初期型のデジタルテロッパから操作スイッチや端子の数などが削られた廉価版のようです。
しかし、素人の自分が思うに十分過ぎる端子類、ここでまさかのRGB21ピンが...

まだ使い方を調べてないので全く分かりませんがRGB21ピンはテレビに接続、
X1はデジタルRGBとTVコントロール入力へ、この2つが基本で
そこにビデオ入力やら出力で、映像にテロップを入れたり、ワイプを作って映像の大小を切り替えたりと
ホームビデオ編集に力を発揮。と言うのがシャープの目論見だったのでしょうか?

見ての通り放置されっぱなしの状態だった様で、まずは大掃除してから色々遊ぶ事にしましょう。


そして本命のローズレッドのマニアタイプ(CZ-800C)のキーボード。
  
梱包を開けてるそばからカールコードの破片がボロボロボロボロ落ちてきますw
自分でレストアする楽しみ一つ増える事になるので、特別気になりませんでした。

こちらも埃まみれですが、想像してたよりは綺麗な状態。
傷とかヒドイのかと思いましたが裏面に大きめの擦り傷があるぐらいで、
これなら年数にしては綺麗な部類に入るのは自分のX1Cを見て頂ければ、お分かり頂けるでしょう。
 


最後にX1マニア(CZ-800C)のローズレッド本体
本体天井部は傷も多く結構汚いですが元々モニターなどを積み重ねて使う事が多く仕方がない面と、
重ねれば隠れてしまう部分なのと、美品コレクターでも無い場合は大して気にしないで良いのかもしれません。
  
背面は、スロットカバーが2つ無いのとプリンターとジョイポートのゴムがありません。
正面の上角が少々凹んでますが、自分のX1Cと比べ(略
ひと段落したら磨いてみようと思います。


今回で一番の問題点は、本体基盤のバッテリーが液漏れして基盤が完全にお亡くなりになっている可能性。
これらは運任せでどうしようもないので、今後の為に練習台になって頂きましょう。
どの道メイン基盤がダメだからジャンクで入札が少なかったと思うのですが、部品取りに使うにしても
これ以上悪化もさせたくないので最優先に本体の基板救出に向かいたいと思います('◇')ゞ



●CZ-800C(X1マニアタイプ)の内部点検

ジャンク品と言う事で、どの道補償も何も無いので通電はしません。
出品時は動いていたのに、搬送後に電源を入れた瞬間お亡くなりになった話はチラホラ見かけますし。
なので早速分解開始!
X1Cと違って、素直にカバーを外せます。左右のネジ2つずつ、背面のネジ2つ、計6個外すだけ。

まずはベルトの確認。

どうやら一度補修されている様です。ブチル系ベルトの残骸が残されたまま、別のベルトがかかっています。
中古品を買う場合は、動作しているからと言って中身が良いものとは限らないですよね。
今回はもともとも動きませんが、中身も酷そうです。

平ベルトの方に、物凄く細いベルトがかかっています。

これでも回れば一応動くかもしれませんが、交換された当時はどうだったんでしょうね。

そして次に探したのがコレだ!

一番心配だったバックアップ電池。想像通り、結構来てます...

パッと見は表面に壮大に漏れた感じはありませんが、付近のパーツの足が粉吹き&侵食された感じになっているので
救出手遅れになっている可能性は否定できません。
それでも練習を兼ねて出来る所までやってみましょう。


G-RAMを外してみました。

凄く綺麗に見えます。縦刺しなので埃が積り難いのが良い感じなのでしょうか。

次に漢字ROMボードを拡張スロットごとはずします。

背面の蓋が無い分、埃の浸食が凄い。「落ち着いたら全て焼き払ってやる!」


バックアップ電池の浸食以外にも、浸水したような跡があります。(埃の方が凄くて写真では分かりづらい...)

ひょっとして、盛大に液漏れしたのではなく、浸水か湿気によって広がってしまったのかもしれませんね。
この辺なんてモロに錆びてますし。全体的にICの足が錆び気味な様です。

期間は不明ですが、屋外にさらされていたか物置小屋に放置されてた可能性は高そうです。


「このまま上からメインボード外れないかなぁ~。でもX1センターさんで全バラって書いてたしなぁ」
と思い出しながら、無難に背面パネルの取り外しにかかります。
スイッチを見ると押したくなるのが人のサガですが、どうもこのリセットスイッチが押せない....
 
背面パネルを外すとスイッチが飛び出してきました。
前の持ち主がバラした時に挟んで組んだのでしょうか。

この、所々メイン基盤が湿気ている様に見えるのが凄く気になるんですよねぇ。
埃が乾燥している所は白く写っていますが、黒っぽい所は埃もありますが湿気てる様に見えます。
あまり熱を加えるのも良くなさそうなので、湿気を取る感じで送風してみても消えない。
どうも油っぽい感じ?ちょっと判断付きませんが、水より油の方がマシなのかな?錆びと言う面では...


ここで、電源に簡単にアクセス出来るので、ちょっと電圧を計ってみましょう。
一応電源は生きてるみたいだったので、ボードから切り離した無負荷状態で試します。
メインボードの電源は簡単に外れましたが、カセットドライブの電源が分解前だと少し外しにくい...

赤-黒間:約 5V(メインボード)
橙-黒間:約 5V(メインボード)
黄-黒間:約12V(カセット制御基盤)

これで正常なんでしょうか?
デジタルテスターの電源を切り忘れて電池切れになってたので
アナログテスター(しかも10Vレンジの次が50Vしかない)で計った為、正確な値は不明orz

X1センターさんの電源修理を見てみると
----------------------------------
通電してみると、5Vサブ電源OK、5Vメイン電源OK、13.8Vカセット用電源OK
----------------------------------
と書いてあるので、どうやら電源は生きてそうですが、カセット用電源の電圧が若干低い気がしないでもない。
取り合えずメインボードの浸食を何とかしてからで、電源はその次に点検しようと思います。

スピーカーやカセット方面に繋がる配線を外して
 
何とかメインボードが外れたのでメインボードの掃除の仕方からお勉強。
久々に検索ラッシュをかけます。



●基盤レストアのお勉強

まずは表面の掃除からです。

普段使用しているPCの掃除はマメにしていたのですが、正直基盤面は静電気破壊が怖くてエアーで埃を飛ばすぐらいしかしていませんでした。
今回の汚れはこびり付きが酷いのでエアーではどうにもなりません。

ブラシで掃きたい所なので検索してみると、静電気除去ブラシってのがある様ですが
画面掃除に使うようなソフトタイプか、プロが使う様な高そうなブラシしか出てこなかったので更に検索していると
ナイロンブラシに比べ獣毛のブラシが帯電しにくいらしい。と言う事で100均に行って豚毛のハケを仕入れる事にしました。

ササッとブラシで大きな埃を掃いて、ブラシで取れない汚れを綿棒に無水エタノールを吸わせて、ちまちまと掃除。
もっと良い掃除道具とかあるんでしょうけど、何が良いのかイマイチ分かりません。
中身の人は、念のため頻繁に金属を触って放電しておきます。ICの足の錆もゴシゴシ磨いて落としました。


で、まだまだ検索します。
レトロPCではバックアップ用バッテリーや電解コンデンサの液漏れで侵食され断線する事が多いらしいですね。
運が良ければ復活の可能性も0では無いと。
まぁ自分の腕では難しいかもしれませんが、この作業は修理品を購入する以外は全てのジャンクに付きまとう問題なので
どの道、1度はトライする必要がありそうです

このバッテリーを外して再度使う訳では無いので、先に足を切ってしまいます。

侵食されている場合、下手に触るとパターンが剥がれてしまうらしいので、素人は手堅くいきましょう。

掃除した基盤は大分と見違えました。


付いていたバッテリーは「YUASA SEALED NiCd BATTERY 2.4V 30mAh」です。
自動車バッテリーで有名な会社の様ですが、こんな小型のバッテリーも作ってた様で。
にしてもある意味、この経過年数でこの程度の液漏れで済んでるのは奇跡的かもしれません。


まずはバッテリーの足を抜いてみよう。
表のモリモリになった足にハンダゴテを充ててみるも、全く溶ける気配がありません。
「???腐食して錆びが盛り上がってる?」と思い、少しヤスリで削ってみるとボロボロと粉状にくずれますた。
どうやら粉を噴いたまま固まっていたようです...
ある程度ニッパーでそぎ落としてみると、大分と削れましたがまだハンダが溶けません。

そう言えば、新しいハンダを流し込めば取れやすくなるってどこかで見たので
足の根元に盛ってみるが、見えないバリアに弾かれてる気がします。引っ付きませんw

「しかたない、裏から溶かしてみよう」

こんな状態になっている基盤ですが、裏面はまだまだ綺麗だと思います(素人判断)

そこで裏面からバッテリーの足に新しいハンダ流し込んでみると、一瞬で溶けました!
「この差はなんだ....」
そのまま溶かして行くと、バッテリーの足が一瞬動いた気がしました。
こりゃ行けると踏んで、そのまま足を押し出し見事に取り外し成功!

もう1本の足も同じ様にしましたが、裏からだけだと抜けない感じで
表と裏の交互にハンダを盛ってみて、無事引き抜く事が出来ました。
足を見てみると、表面が皿の様に固まってしまっていますね。
  
そこに、再度ハンダを流し込んで、やっと2ホール完成♪
この間約30分...これ、怪しい箇所全部やるのに一体どれだけ時間かかるんだろう?w
しかし勝手が分かったので、今度は裏からハンダを流し込んで、そのまま吸い取ってみます。
「お?これなら楽勝か?」と表を見てみと、黒いのが残ってるし...

これどうやって取るの?w
突いてみると柔らかそうだったので崩し、一度ハンダを流し込んだあと吸い取り
さらにクリーナーで拭いてみると綺麗になりました。


「手順が分かれば何とかなりそう!」

他のパーツは足が曲がってたりして簡単に外せない感じだったので、まずはこのスルーホール(ビア?)を綺麗にする事から始めました。
何個か直してるうちに気がついた事、
「ヤバいやつは、そのままだとハンダが溶けにくい」
「ヤバいやつは、ハンダが乗らない」

自分でやってみると分かりますが、この「黒いや~つ」はハンダではありませんっ!ハンダを装った、別の物体!
これ、レジストが変色してるのでしょうか?
でもパーツを載せてからレジストを塗ってるとも思えないので、半田の表面が黒化してる感じでしょうか?

何とかバッテリー下だけ終わり、こんな感じに。
素人作業で貴重なX1マニアタイプを使ってしまい申し訳ありません。

まだまだ怪しそうな所は沢山ありますね...


念の為に導通チェックをしている時に気になった箇所があって、バッテリー直下のパターンの行く先が分かりません。
素人なりに考えてみようと「X1センター」さんからCZ-800Cの回路図をゲット。
回路図を詳しくは読めませんが、現物のボードに全て部品の記号番号(コンデンサならC1みたいな)
が振られているので、割と素人にも分かりやすいと思います。

普通、見た目だけで考えるとG端子(カセット行きの電源?)の中央の端子とD6のカソード側
が繋がっている気がするのですが、テスターでは導通がありません。

(赤丸と赤丸が黄色線のパターンで繋がってる様に見えるけど...)

回路図で必死にD6とその先のC35を探すも、なかなか見つからないw
「D5とC34は有るのにぃ~!!」と、まるでウォーリーを探せ状態orz
ダメだ、モニターのPDFで見てたら視力が急降下しそうで怖いw
一旦置いといてA3用紙にでも印刷しましょう...

その他、バッテリー周りは基本的に怪しい感じです。
 
どの道、このメインボードは錆が多くてダメな可能性が高いのでバッテリー周りの練習はこれぐらいにして
次は電源をバラしてみる事にしました。



●電源の点検

 
簡単に外れて分解できましたが、素人目で見てもサッパリ分かりません。
表側で気になるのは、トランスの放熱板への接着が怪しいなぁって所ぐらいです。


裏面も特に目に見える変化は無し、電解コンデンサはベタ付けされているので液漏れしていないかどうかは外してみないと分からない模様。

取りあえずそのままにしておきます。

配線が凄く汚かったので、掃除しておきましょう。

時々オークションで汚いからと悪い評価を付ける人が居る様ですが
特にレトロ系は、自分で掃除する方が愛着が沸いて楽しみが増えると思うのは自分だけ?


デジタルテスターが復帰したので電圧を計ってみました。
 5.14V(赤)
 5.04V(橙)
11.14V(黄)
 4.95V(緑)
「あれ?カセット用の電源電圧が低くないっすか?」
アナログテスターの時は大体12Vあると思ってましたが、基準より2Vも低いのは異常な気がします。
ん~電源もダメなんでしょうか?こちらもチェックする必要がありそうです。
電解コンデンサ程度なら素人の自分でも何とかなるかもしれませんが
それ以外だとちょっと厳しいかもしれませんね。



●カセットデッキの点検

最初に少しだけ確認しましたが、必要な部品があったらまとめ買いしないといけないので、
念のためカセットデッキ部までバラして見ておきましょう。意外とフレームアースしているのに驚き。

単なるノイズ取りや放電用のアースなら良いのですが
電源と絡んでくると、古い鉄板との接点は抵抗になってしまうと思うのです

フレームが外れました。若干錆びはありますが自分のX1Cもそんな感じなので大差なし。


しかし、カセットデッキはヒドイ有様です。
ブチルゴムの残骸が残ったままベルトが掛けられただけ。


フライホイールには極細ベルトが掛けられてます。

「こんなので回るのかな?」とか思いつつ触っていると、何故かフライホイールが前後に動きます。

X1センターさんや他の方の分解写真と見比べてみると、どうやら本来はフライホイールの背面に
プラスチックの様な土台と軸受が有りそうな感じで、以前にバラした人が割ってしまったのか割れてしまったのか
この個体には付いていませんでした。

これはニコイチにするか、自作するしかありませんが、取り合えずカセットデッキは一番最後で良いので後回し。

表側のプレートを外してみましたが見える範囲のギア欠けは無さそうです。

巻き取り送りゴムは生きてそうですが、その上にあるギアが取り付けてある機構の裏側に止めのリングが無く、
後ろ側に「スコっ」と抜けてしまいます。



カセットドライブの中は、磁気ヘッドが傷か錆てる感じでかなり怪しく、
ピンチローラーも変色してカサカサになってるので使えるかどうか微妙。


確認だけしてみましたが、掃除も含めて結局カセットデッキ部も全バラが必要そう...
これは中身ゴッソリ入れ替えないとダメかもしれませんが
今後メンテナンスする必要がある事も考えて、極力もとの状態に復元出来ないかチャレンジしてみようと思います。

プロの方は、こんなのが修理依頼来たら大変なんだろうなぁ~と思いつつ、趣味の領域で良かったと思う瞬間なのでした。
死にゲー好きの自分にとっては中々楽しそうな難易度です。
カセットデッキは結構手がかかりそうなので軽く掃除だけして後回し。


これで、基盤、電源、カセットデッキと、一通り掃除と点検が終わったので、簡単に組み付けて色々テストしてみたいと思います。



つづく


CZ-800C(X1マニアタイプ)の修理-その2

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「CZ-800C(X1マニアタイプ)の修理-その1」の続き

なんだかやる事がいっぱいで楽しいです。
これ触りだして数日、ゲーマーがゲームを全く起動していないと言う...


●X1マニアタイプ(CZ-800C)の初動テストと、修理箇所の模索

軽い点検清掃とバッテリー廻りの応急処置が終わったので、早速起動テストです。

起動してみると
「Please turn on the Power SW slowly again !」
と表示されて音沙汰無し。電源を入れ直しても同じ。
リセットを押すと、「IPL is under preparing」と表示された後に上記メッセージ。
なお、写真は撮り忘れた模様...

「掃除しただけで動く様にならないかなぁ~」
なんて淡い期待をしましたが、世の中そんなに甘くはありません。


故障と関係ないと思いますが、このX1マニアタイプ(CZ-800C)を
中華アプコン「GBS-8220(GBS-8200 Ver4.0)」で表示した時、文字が結構揺れているので
X1の個体差なのか型式の差なのかは分かりませんが、X1Cとは同期の取り方を変えないと正常に表示されないかもしれません。
試しにRGBコンバータ「RGB-VIDEO-CV04N」に繋いでみると、こちらはS端子出力で流れずにレグザTVに表示可能でした。


組み付けた状態で電源電圧を計ってみました。
5.13V(赤)メインボード
5.05V(橙)メインボード
13.12V(黄)カセットボード
4.92V(緑)電源スイッチ部分

「あれ?電源いけてんじゃない?」
接続しない無負荷状態だとカセットドライブの電圧が低かったのですが、問題なさそうな感じです。

起動しない原因はメインボード自体が悪そうですが、今の自分に出来る事は電解コンデンサの交換ぐらいしかありません。
まぁ、バッテリー周りが怪しいのには変わりないので、引き続きチェックしながらですが。
折角なので、練習がてら電解コンデンサの交換にチャレンジしたいと思います。

幸い、マニアのメインボードの電解コンデンサ量は大して多くありません。
セラミックコンデンサまで変えるとなると大変でしょうねぇ。
電解コンデンサは容量が減ってしまうとかで交換の必要性は分かるのですが
セラミックコンデンサって交換必要なんでしょうか?


バラしたついでなので、電解コンデンサを交換する前に気になっていた所の点検もしてみましょう。

まずは、前回も書いた所でバッテリーの付いていた所にある電源端子?
  
パターンを追って行くと+5Vの端子に行き着く感じなのですが、端子に隠れて肝心の繋がっている所が見えません。
導通はしていないので断線しているのか元々パターンが無いのか調べようとしたのが
「ウォーリーを探せX1基盤バージョン」なのでした。

仕方ないので端子を外してみると、端子の下で急にパターンが曲がってやんの;;

真ん中の端子に行くと見せかけて左端の端子に繋がっていました。
無事、導通が確認出来たので元に戻しますが色々失敗してコテ先で端子のプラスチックを溶かしてしまう凡ミスw

他に気になっていた点は、カセット制御基盤辺りにある同軸ケーブルが切断されたもの。
  
切り口からして引き千切られたものではなく、鋭利なもので切られた感じですが
最初みた時は気が付きにくく、下の写真の様な丁度フロントパネルとツライチに切れた状態だったので
「何かの線を挟み込んで千切れたのかな?」とか考えていました。

初めてCZ-800Cを見る自分には、この線が必要なものなのかどうかが分かりません。
しかし基盤表に端子が有るにも関わらず、その裏側にハンダ付けされているのって明らかに怪しいですよね。

基盤の裏でジャンプしているだけならまだしも、明後日の方向に向かうとも思えず...


次は、カセットデッキの裏側で「スコッ!」と抜けてしまうギアとプーリーですが
針金を巻いて仮のリングとしました。
 
これでも首振りはスムーズだし、抜けたり外れたりする事も無さそう。



●電解コンデンサの交換

ではでは、電解コンデンサの交換にチャレンジ。

回路図と睨めっこしながら部品を集めたり交換したりしているのですが
どうも、回路図と実際の回路では違う部品が付いている事が時々あります。

C6:16V10μF>50V2.2μF
C34:35V47μF(TA)>50V0.47μF
他にもあるかもしれません。
この(TA)ってタンタルコンデンサ?なのでしょうか?
基盤にはご丁寧に「タ」に〇囲いの記号がありますが、実際に付いているのは普通の電解コンデンサなのです。
取り合えずは現物実装された電解コンデンサに交換してみましょう。

マニアのメインボードの電解コンデンサはそれほど多くなく、電源の電解コンデンサも劣化が気になるし
カセット制御基盤の電解コンデンサも少ないので全替え予定です。


にしても、実際に作業を進めて行くと、基盤と電子部品用にと15Wの極細半田コテにしたのに(した為に?)
半田が溶けにくくて作業が進まない件...
コテ先のメンテナンスが悪いのか適温を維持出来ていない感じなのでしょうか?
最初はソコソコ使えてた気がするのだけれど、徐々に部品を外すのにも手間取る様になってしまいました。
温度管理出来る高級なハンダコテが欲しくもなったりしたけれど、もう少し勉強用に安物のコテを使い潰してみたいと思います。
普通の30Wのハンダコテだと簡単に脱着出来ますが、ダイオード、トランジスタ、IC周りでは
熱でパーツが壊れてしまう事もあるそうなので少し怖いです。

電解コンデンサの耐圧を上げて云々あるそうですが、良く分かっていないので極力付いてる元のままの数字の電解コンデンサに交換。
ただし6.3Vや10Vの電解コンデンサは店頭では種類が少ない為、売っていない場合は
ワンランク高い耐圧の10Vや16Vに変更したりしています。

メインボードの電解コンデンサ交換完了です。

電源部分の電解コンデンサも交換します。
大きなコンデンサを外す為に放熱板に付いた部品も外す必要がありそう...
先に留めてあるネジを外すのかとも思いましたが、1層基盤でハンダの吸い取りも楽なので
放熱板に付いてる部品ごと、ゴッソリ取り外しました。


電源の電解コンデンサを交換してみると、この大きなコンデンサの頭が膨れていたり
真ん中らへんのが漏れてたりで結構ヤバかったのかもしれません。
 
左の写真が膨れたコンデンサ
右の写真は目視出来るほどで、柔らかく簡単に拭き取れたので割と最近漏れた感じ?

  
(素人目で見てダメダメそうな電解コンデンサ)


電解コンデンサを全て交換したので、再びテストしてみましたが残念ながら前回と変わらず...

しかし、電解コンデンサ交換前はリセットを押して「IPL is under preparing」と表示された後すぐに
「Please turn on the Power SW slowly again !」と表示されていましたが
電解コンデンサ交換後は、若干ですが間が空いてから表示されます。
何となく「IPLが読みに行ってるけど、途中でエラーが出て動かない」的な?素人考え。



●カセットデッキが動いた!!けど...

そして、アプコンで表示した時に画面がブレて流れそうになっていたので同期にノイズが乗っている可能性を考えて、
電源コードにフィライトコア付けて、再び電源を入れたところ何やらカチっと音がしました。
もう一回電源を入れ直して音の正体を確かめてみると

「カセットドライブのモーター回っとるやん!」

どうやら、カセット基盤のリレーか電磁ソレノイドが働いた「カチッ」だった様です。
しかし、全てのランプが点灯してモーターが回ってるだけなので、どうみても正常ではありません。
ネットで色々調べようと一旦全ての電源を落として再び電源を入れた時には、元の全く無反応な状態に戻っていました...

「あぁ、完全に壊しちゃったかな?...」orz


まぁ、起動はしないけど先ほどと表示は変わっていないので、まだ諦めるには早すぎます。

次は、タンタルコンデンサってのが気になったので、どの様なものか調べてみました。
これ最初、電解コンデンサって知りませんでした。
なので交換予定には全く入ってなかったのですが
電解コンデンサ交換中に基盤の記号を見て極性がある事を知り、調べてみたら電解コンデンサの一種だったという。
さらに、このタンタルコンデンサの事を調べると結構ヤバい。
このパーツの故障と言うのが、電解液が漏れるとか所の話では無く、短絡してしまう(ショートしてしまう)と言うのです。
どうなると故障するのか分かりませんが、壊れた瞬間に他のパーツも道連れとか勘弁してほしい...

蓄電池である以上、経年で劣化する可能性はあると思うのですが、このタンタルコンデンサは劣化が少ないとか?
タンタルコンデンサ故障率の90%がショートか電流スペックオーバーと言う事で
このマニア基盤が湿った感じで怪しかったので、ショートしている可能性は十二分にあります。

「取り合えず交換してみようかな?」と思い調べてみるとタンタルコンデンサの値段が異様に高い!!
10円とか20円のパーツが多い中、100円とかするし...
どうやらレアメタルが使われている様で、今は使われる事が減っているそうな。
一応メインボードで使われているのが14個。
1か所タンタルマークなのに普通の電解コンデンサが付いてる所が気になりますが、
あのバッテリーの状態を見ると修理の為に誰かが交換したとは考えにくい。

「全部替えると1500円ぐらいかぁ」
しかしテスターを当てても導通(ショート)しているものは無さそうだったので、取りあえず保留に決定!!w
最初は軽い気持ちで考えていましたが、経年による劣化が少ないと言う事で値段に負けましたorz

「40代の素人のおっさんが電子工作に挑戦するブログ」さんによると国内では作っておらず海外製は粗悪品も多いとか。
普通の電解コンデンサでも良いらしいので、怪しくなった時に調べて交換する方向で。



●トラブルシューティングと部品交換

にしてもIPL待ち受けへの道のりですが、、現状では全く解決方法が分かりません。

そこで少し症状からトラブルシュートしてみます。
電源は入り電圧も正常なので電源は問題なし。
画面は表示されるので基本表示部分もフォントROMもOK
IPL自体が壊れていたら、そもそもIPLの文字すら出ないはずなのでIPL-ROM大丈夫なはず。
IPLを読みに行こうとする事から、Z80CPUも恐らく大丈夫?
サブCPUが何をしているのか分かりませんが、回路図を見るとIC1とカセット制御基盤に繋がっているものが多く、
外部機器の制御をしているのでしょうか?
最初は全くカセットデッキが動かなかったのに、電解コンデンサを替えた後に挙動はオカシイものの一度だけモーターが回ったと言う事で

「カセットデッキを制御してるであろうサブCPU周りを調べてみよう」

と思って回路図と実際の基板を見比べてみると、思いっきりバッテリー周りですたorz
やはり、バッテリー周りのパーツが怪しいので、この辺りの部品をダメ元で交換できるだけ交換してみたいと思います。


電解コンデンサの交換以外は本格的に電子パーツの交換なんてした事ありませんが、このまま手を拱いていてもラチがあかない。
まずはダイオードと抵抗が腐食してる感があるので、そこから交換してみようと思いました。
しかしダイオードが回路図より「1SS119」だと分かるのですが、同じものが無く何を選べば良いのか分からない...
耐圧で同じものが売ってなかったので現物サイズと耐圧が近いものを買いました。

取り合えず抵抗とダイオードの仕入れ。
ダイオードは色々使いどころがありそうなので、別途に耐圧高めの小信号用も仕入れておきました。
こちらはCZ-800Cに付いているものより、サイズが少し大きいです

作業にかかる前に、その他の箇所で接触不良になっていないか念のためバッテリー付近のサブCPUを外してみます。

ICを見てみると...

「こ、これは!あかん色やっ!」

足の隙間が掃除しにくいので竹串をカッターで加工して掃除します。
無水エタノールと接点復活剤でゴシゴシ...大分マシになったかな?


ソケットの方どうしようw
細すぎて中まで綺麗に掃除出来そうにありません。
取り合えず接点復活剤をかけながら細い針金を突っ込んでゴシゴシ磨いてみます。

「結局最後は外すしか無いのかな...」
しかし、この足の数は自分のハンダレベルではヤヴァイ。
動かなければ交換する意味も無いので、まずは掃除&掃除。
ひょっとしたら、この接点不良でIPLがエラー吐いていた可能性も考えましたが動作テストするも変わらず...

サブCPUまで侵食されていると言う事で、バッテリー~サブCPU間の部品を徹底的に交換する事に決めました。
もちろん反対側で足が怪しいパーツも同時に交換します。

追加購入したパーツは以下の通り。
・発振子:X1(32.768KHz)、X2(6MHz)
・トリマコンデンサ:C1(20pF)
・セラミックコンデンサ:C2(22pF-30ppm)、C4(22pF-150ppm)、C5(22pF-30ppm)
・トランジスタ:Q2(2SC2308-2K-4)、Q3(2SC2308-2K-4)
・ネットワーク抵抗器:RM3(22kΩ×8)、RM14?RM4?(22kΩ×7、J223S)

トランジスタは古すぎて同じものが無さそうだったので、パーツ屋さんに代替で使えるトランジスタを出して頂きました。
良く見かける?C1815のトランジスタで大丈夫そうな感じです。
ネットワーク抵抗器は現物基盤を見ると9本脚の物で大丈夫そうです。


基本的にバッテリーの左側はタイマー関係の回路らしいので場合によっては必要無いのかもしれませんが、
狂っていると誤動作の原因になるかもしれないので無駄にはならないと信じて交換してみましょう。

問題はIC関係がわかりません...
I9とI20はバッテリーに一番近くて怪しいのですがI20の記号、NOT回路っぽいけど〇が後ろについてます。
ググってみるもインバータって何さ...
取り合えず分からない所は置いといて、IC以外を替えてみようっ!


抵抗とか被覆が剥がれかけてたり、全体的にパーツの足廻りは劣悪です。


部品を外して、掃除して、メッキして、取り付け。相変わらず怪しい所が満載です。
   
ダイオードとトランジスタは熱に弱いそうなので、極力最後に交換する方向で。


何とか手持ちの部品を交換した所で動作テストしてみるも、全く変わらず...むむぅ~...

こうなってくると、あとはIC周りが怪しいのですが部品が無いので予備のパーツ待ちでしょうか...
パーツ屋で同じICが見つかるとも思えないので、ジャンクのCZ-800Cを待ちたいと思います。

ん~。直せるのかどうか怪しくなってきた...orz


つづく

CZ-800C(X1マニアタイプ)キーボード修理

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本体の修理はパーツ待ちですが、やる事はまだまだあります。

お次はCZ-800C(X1マニアタイプ)のキーボードを修理してみましょう。

まずはボロボロのキーボードケーブルを何とかしようとカールコードを色々検索してたら、
どれも結構良い値段なんですね。安くあげたかったのですが甘かった...
一応、ジャンクパーツなどを探してみましたが、そんな便利なジャンクは無かったorz

安く上げるにはストレートケーブルを手巻きする自作しかありませんが、検索してみるも流石に上手く巻けないらしい。
そりゃゴムの形状が違うんだろうから仕方ないですけど。
ある程度溶かして変形させた上で固める必要があり、あまり現実的ではありません。

既製品で代用出来ないかと、パーツを買いに行った時に足で探してみた代替コード色々。

・ストレートオーディオケーブル(写真一番左)
使うだけならこれでも全く問題ないと思います。
しかしカール形状にしたい場合、自分で作る難易度が半端なく高そうなので
買ってはみたものの作るのに時間がかかりそうで放置状態。
いつかは実験で作ってみたいと思っていますが、思っているだけ...

・PS/2キーボードの延長カールコード(写真右から2番目)
想像してたより太すぎた...色も白だし、X1の修理には向かないかな。


(上記2製品のイメージ)

・無線用の4芯カールコード(写真一番右)
大阪日本橋の無線を扱っている店に聞きまわりました。
「パーツは扱ってない」と言う反応が多い中、千石電商さんの隣にある(株)ウエダ無線さんで聞いてみた所
たまたま「九州かどこかから仕入れたコードが残ってるかも?」と、ワザワザ倉庫まで見に行って頂けました。
お値段なんと100円!!
「これは良い!」と大量に買い込みたかったのですが、これが売れ残りの最後の1本だった様です。
純正品と比べると巻き径が小さい気がしますが、艶消しで質感が良く長さもそれなりにあり、
4芯ですが径が同じかやや小さいぐらいなので純正キーボードの軸受けもすんなり通ります。
ケーブルも軽いので、個人的には実用面と見た目のバランスでは結構良いと思います。
が、もう入手方法が分からない...

・カーオーディオ用のオーディオ接続カールコード(写真左から2番目)
audio-technica 車載用 オーディオケーブル0.6m AT-CA44C/0.6
千石電商さんでたまたま見つけたのですが、ネットで探してた時にストレート部分が大半を占め
カール部分が凄く短いコードがあったので心配でしたが
現物を見てコレはカール部分もそこそこの長さがありそうだったので購入する事に決定。
値段はそれなりにする(店頭で1700円、ネットで1300円ぐらい?)ので、線材だけとして購入するには少し勿体ないかもしれません。
しかし、カールコード部分は文句なしの質感、柔らかさと伸びがあります。
やはり見た目的な問題点はストレート部分が若干長い点。
キーボード側は埋め込むので問題ありませんが、本体側はそのままだと違和感ありますね。
背面刺しなら結構いけるかもしれません。
購入したのは0.6mですが、少し重みがあるので本体とキーボードの間に空間があると
ぶら下がる形になって扱いにくくなるかもしれません。長さが必要無いなら0.4mの選択もあり。
実機と似たような端子があれば、ストレート部分を短く切って付け替えれば見栄えがさらに良くなると思います。

その他、千石電商さんにカールコードのみが無いか聞いてみた所、要望が多いのかどうなのか
仕入先を探してくれているみたいですが、なかなか良いコードが見つからないみたいです。



●カールコードの修理

あまりにも汚いので、まずは清掃しようと取り出すや否や、コードの破片がボロボロと落ちてきます。

「掃除の前に、まずばコードの取り外しからだ!」
取り外したコードと買ってきたコードを並べてみました。

無線用コードにはX1キーボードのコードブッシュが刺さっています。
コードが外れた所でササっと本体を掃除しました。

売りに出す気はさらさらないので、キーボード側も端子にしちゃう方向で行こうかな。
オーディオ用の端子を2つほど買ってみました。
当てがってみると、どちらも微妙に付きにくいw
 
分解する前に買ったので実物を確認してみるとキーボード側のプラスチックが意外と肉厚がある事にビックリ。
片方の端子はスカスカなのでワッシャなどで止めを作る必要がありそう。


もう片方はネジ山の長さが微妙に足らず、止めれそうで止められない。


ガーン!!X1センターさんの掲示板に「ギリギリ使えない」って書いてるやん。
別の検索をしている時に発見...orz

本体側は削りたくないので、ジャックのギリギリを加工してなんとかする作戦w
ギリギリなだけなら良いのですが、サイズもギリギリで斜めに入ってしまいそうになります。
ならいっその事、さらにギリギリに削って奥に埋め込んでしまえばイイ!!
外側を丸く楔形に削るだけ。

取り付けの時に押し込み過ぎると中に入ってしまう可能性があるので
後ろで何か固定した方が良さそう。


ジャックタイプにするか、直接カールコードを出すタイプにするか迷ったので
どちらにも対応できるように内部にもう一段階ジャックををつける事にしました。先ほどの余ったヤ~ツ。
  

直接「カールコードパターン」
    
頃合いのL型プラグが無いものでしょうか?安っぽい物か、オーディオ用の高級な物しか見つかりませんでした。

入れ替えて「端子パターン」
    
後になって思うと、この間の白いコネクタは何の為につけたのでしょう?w
思い出した!!ジャック裏で止めるナットがステレオプラグを通過できなかったのです...

「端子パターン」ですが、角を削ってしまったが故に抜き差ししている時に奥にメリ込んでしまう時があったので
後日、X1センターさんオススメの端子に交換しました。
  
真ん中の写真ぐらいまで足を切って少し切り過ぎた感じだったので、
右の写真の様に元々の留め具を差し込むと良さげでした。

少し掃除して磨くと、なかなかイイ感じに!
 


動作テストです。
マニアタイプ修理中で暫く眠っていたX1Cを久々に引っ張りだしてきました。
なぜ一体型なのにキーボード端子があるのか分かりませんが、オプション機器との接続に使ったりするのでしょうか?
 
順番にキーを押してみると、どうやらテンキーの ”7” と ”2” だけ反応がありません。
そして、適当に押してると文字の色が..

何か壊したかな...?と思いましたが、COLOR命令で元に戻せるので色々触っていると
CTRL+テンキー(の色番号?)で、文字色が簡単に変えられる仕掛けが...
勿論、そんな事は子供の時分には知らず....(知ってても完全に忘れてる)
これ、色情報を保持したまま保存出来るなら、プログラムが見やすくなるだろうなぁっと思いました。


●キースイッチの修理

接点復活剤をかけて連打しまくってなんとか復活!!したかに見えましたが
どうも急に反応しなくなったりする事があるようなので調べてみたいと思います。

テンキーの ”2” と ”7” のみを交互に高速連打してもこの有様。

”7”キーが利かない時、適当にガシャガシャ押して気が付いたのですが
テンキーの458を同時に押したり、CLSと/8を同時におすと7が出る時があるんですよね。
これは7だけに限らず、124を同時に押すと5が出たり256と押すと3が表示されます。
回路の関係なんでしょうが、7キーを直接押しても何も表示が出ないのに、
同時押しで7が出ると言う事は送られている信号がオカシイとかではなく、やはりスイッチ自体が悪いのでしょう。
正常なスイッチと交換するのが理想なんでしょうが、もはや手に入れるのが至難。

取りあえず物理スイッチなので、ボードから外して修理出来ないか見てみる事にしました。

キートップを外す時の注意として、下の写真を見ての通り緑色の「軸が縦長」になっていますので左右の力には弱い可能性が高いです。
構造上、「特に右方向への力に一番弱い」と思われますので、硬いからと言って捻らない様にした方が賢明です。
 

このままでは良く分からないので分解。
左右の爪を外しながらバラすだけなので、難易度は高くないと思います。
 
言うまでもなく、中のスプリングを飛ばして無くさないように注意です。

さらに分解。
 
これ以上はプラスチックを溶かして加締めてある様なので、
この状態のまま接点を目の細かい耐水ペーパーで軽く掃除した後、接点復活剤をかけて組み直してみました。
気持ち、押さえのバネを曲げて強くしてみます。(縦のバネではなく銅板を抑える側)

構造としては、銅板と銅板の間に穴の開いた薄い絶縁板を挟んで、キーを押すと穴の開いた部分が押さえられて導通すると言う
文章に書くと凄く分かりにくい構造w
また、上下運動をそのまま接点にするのではなく、テコの原理で左右の力に変えています。
この方が安定するとか接点が擦り減らないとかあるのかもしれません、昔の人の耐久性の考え方は半端ないですからねぇ。

この構造を見て分かった事は
「カバーの上から接点復活スプレー吹いても、ほとんど接点にかからねぇ!!」って事。

ある程度浸透していくかもしれませんが、接点部分はガードが堅いのです。
それだけ埃の侵入を防ぐと言う面では、かなりの効果がある様な気がします。
まぁ、銅板を押さえる金属バネの動きが悪い可能性もあるので、一概に接点だけの問題とは言えませんが...

 
お~しっ!なんとかいけそう。
右の写真ではキーを高速連打しているので同時押しになった時は優先された方だけが表示されていますが
概ね交互に反応していて、1つのキーだけなら何度押してもミスなく入力されるようになりました。

左写真を見ての通りキーボードコネクター背面刺しの場合、ケーブルの長さが0.6mでこんな感じで丁度良いです。
よくカールコードで2mとかありますが、コード自体の長さであって引っ張った時の長さでは無い事があるので注意。
本体分離タイプの場合、目の前に本体があるなら背面刺しで、少し離れているなら前面刺しって感じで
コードや差し込みプラグが邪魔にならない様に、前後にキーボード差し込み口があったのでしょうね。


これならX1Cのキーボードの接点不良も直せるかもしれません。
X1Cでも一部渋いキーがあるので今度チャレンジしてみましょう。

以上、CZ-800C(X1マニアタイプ)のキーボード修理でした。

CZ-800C(X1マニアタイプ)の修理-その3

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X1マニアタイプ修理の続きです。

ボロいCZ-800C(X1マニアタイプ、ワインレッド)を手に入れたものの、初めての修理で分からない事だらけ。
IPL待ち受けまで行かないと言う事で、粉吹きバッテリーを取り外し、各部清掃して、一部のパーツを交換してみるも変化なし。
どうものIC周りが怪しい訳ですが、現状どうしようもありません。
その他カセットドライブも怪しい所満載で、もう1台ジャンクのX1マニアタイプを待っていたのが前回までのあらすじ。

そうこうしてる内に、怪しいマニアタイプが出てきました。
-------------------
・電源が入らない
・ハドソンのカセットが入っているが出せない
・蓋を開けてHDDとBDを確認
-------------------
怪しいw

まぁ自分は完動品にはあまり興味は無く、怪しい人から買うのが結構楽しみで仕方ない。
マニアタイプは本体のみの出品も多い為、キーボードも欲しかった自分は躊躇っていたのですが
前回はその問題をクリアしていた為キーボードとG-RAM目当てでの落札でした。
本体も結構遊べているので、なかなか満足しております。まさか、ジャンクでここまで遊べるとは...

今回は主に部品取り用途での購入なので、通電不可なものをチョイスしました。
生きている個体から部品取りするとか勿体ない!!

兎に角、1台では何がOKで何がダメなのか判断すら出来ないので、レッツ!トライ♪



●CZ-800C(X1マニアタイプ)の内部点検-その2

到着しました。
ブログ中では書きやすい様に、最初に手に入れたCZ-800Cを「レッドマニア」
今回手に入れたCZ-800Cを「シルバーマニア」と表記しましょう。

ボディが思ったよりもかなり綺麗で、多少の擦り傷等はあるもののフィルムカバーが付いています。
これ、新品の時のものでしょうか?
フィルムをめくって磨けば擦り傷が消えるかもしれませんが、あまりにも綺麗なので、フィルムはそのままで。
   

中身はG-RAMも拡張スロットもありませんでした。
最初の選択は間違ってなかった...直せるかどうか分からないけどw


まずはバッテリーを見てみます。

まずまずの劣化具合?
黒ビアは少なく、抵抗のハンダがヤバそうですが全体的にICのプリントも綺麗に残っていて、
最初のレッドマニアより良い状態に見えます。

カセットデッキの裏側を見てみると、巻き取り駆動ベルトとカウンターベルトは付いていますが
平ベルトは完全に溶けて、そのまま下に落ちている感じ。
レッドマニアに無かったフライホイールの軸受は付いてます。よかった...
  
最初、巻き取り駆動ベルトがブチル系だと思ってたのですが、マニアタイプはX1Cとは違い平ベルトがブチル系の様です。

そして、中に入ったままのカセットを見てみると...
 
「ザ・スパイダー」ですが、「パソピア7」の文字が...
これはこれでレアな気がしないでもないですがX1用では無くて残念。
カセットテープの磁性体を見てみると最初は「それほど悪くないかな?」と思いましたが
一部虹色になっている所があったので、ソフトとしては生きて無いかもしれませんね。
一応保管して検証用などに使ってみたいと思います。

写真では分かりずらいですが、カセットデッキの中が凄く綺麗。

これは恐らくカセットテープを入れたまま保存していたからで
空気の入る隙間が少ない為に湿気や液漏れの蒸発気体が入りにくく、腐食や劣化を免れたのではないでしょうか?
長期保存する場合はカセットテープの中身を取り出して、空のケースを入れておくと良いのかもしれませんね。
ただし、カセットを押さえるスプリング機構にダメージが出る可能性は否定出来ませんが...

その他、メイン基板に液体がかかった様な跡と、その部分の抵抗に錆が出ています。
 

ただし、それらの部分以外は比較的綺麗なんですよね。
 
まったく掃除していない状態でこれ。

状態は大体わかりました。
いきなりレッドマニア用に部品取りするより、まずはこの機体が修理出来ないか色々試してみたいと思います。

大まかな手順と優先度は
・メインボードのバッテリー取り外しと清掃
・バッテリー付近の抵抗等のパーツの取り換え
・電源基盤の清掃と電解コンデンサ交換
・メインボードとカセットボードの電解コンデンサ交換
・カセットデッキの修理
って感じでしょうか



●シルバーマニアの分解

一旦バラバラに分解してから作業を進めていきましょう。
分解し始めると、なにやらパラパラと落ちてきます。

黒いカスの様な?
潰してみると...

ギャー!!まさかベルトの残骸?
そう言えば平ベルトの方がトロケルタイプなのでした。

レッドマニアの方は、なぜ巻き取り駆動プーリーにブチル系ゴムの残骸が巻き付いてたのか...
平ベルトがモーターに絡まる>巻き取り駆動ベルトがブチル系ゴムを巻き込んで回転
>「会心の一撃!!巻き取り駆動プーリーへ大ダメージ!!」こういう事かorz

こちらのシルバーマニアは配線が物凄く綺麗に束ねられています。新品から一度も手が入っていなさそう。
 
レッドマニアのカセット基盤に付いてた同軸ケーブルは、こちらには有りません。レッドマニアは改造品確定でしょう。

電源が外れました。液漏れでここまで酷くなるものでしょうか?液漏れ+水濡れとかあったのでしょうか?
   
左写真は電源横のメインボード下。
右写真の電源ですが、白いモヤモヤが結構広がっています。

底面パネルが外れました。

ベルトって、ここまで綺麗に落ちるものなんですね。黒い横線がそれです。
ブチル系ですがドロドロ度はマシで、ドロドロを通り越した乾燥の為か結構こびり付いています。



●シルバーマニアの基盤メンテナンス

いよいよ基盤救出作戦。
パッと見はレッドマニアよりかなり良い状態かと思いましたが
メインボードを外してよく見てみると結構ヒドかった...

レッドマニアは広範囲にダメージを受けていましたが、このシルバーマニアは
範囲は狭いですが、かなり深いダメージを負っている模様。

バッテリーを外してみると、黒化が前回の比じゃありません。

表面にはハンダが乗りそうになかったので、裏面から吸い取ります。

レッドマニアは裏面はキレイでしたが、シルバーマニアは裏面もヤバそうでパターンが盛り上がってます...


幾つかのスルーホールの裏面からハンダを吸い取ってみるも、今回は全く貫通しない所がチラホラあります。
表側を見ても、レッドマニアは表面がパリっと餃子みたいな感じでしたが、今回は突いても崩れる気配なす...

バッテリー下のみですが6カ所も貫通しないビアがあります。

ハンダを流し込んでみたり、無水エタノールで掃除しながら突いてみますがビクともしません。
ちょっと強力になってダメージも増えるけど、パーツクリーナーを使ってみるも変わらず。

何か方法が無いか考えてる時に閃いた
「酸化して固まってしまっているなら化学反応に頼るしかねぇ!」
ググってみると、”お酢” が使えるらしいのですが、生憎うちにあるお酢は調理酢で色々混ざっているので使えない。
接点復活剤なら、そう言うのに強いはず。と見てみると
「”αオレフィン炭化水素”!!なんか凄そう!!(よく分かってないけど)」

早速吹きかけてコツコツ突いてみると、中まで詰まっている黒化ビアがザクザク音を立てて貫通しました。
そして、黒い塊がゴロゴロとw


「こりゃいけるぜぃ」と、ほぼ表から裏まで埋まっている所もゴリゴリ削りながら堀り進めて何とかビア全部が貫通しました。
接点復活剤ですが容量が少ないのに値段が高いだけの事はありますね。
しかし、あとで調べてみると”αオレフィン炭化水素”は、単なる合成油の名称だった模様?w
でもプラスチックにも使え、耐薬品性に優れているとかで、やっぱり凄そうではあります。
色々試してる過程で柔らかくなっただけなのかもしれませんね...


う~ん。これは何となくパターンが死んでる気がする...
ハンダが乗らなかった時点で金属部分が侵食されてしまっている可能性が高いです。
3層以上の基盤とかだと完全にお亡くなりかもしれませんが、見た感じ表と裏だけの様なので
一度テスターを当ててみて、ダメそうなら銅線を通してジャンプさせる方法で復活するのではないでしょうか?

シルバーマニアで1カ所、ビアに見えない所があったのですがレッドマニアのパターンを確認してビアと断定して貫通させました。
これシルバーマニア1台だけで初めての作業だったら詰みそうw
レッドマニアで練習してて良かったと思った瞬間でした。


それではオペに取り掛かります。
4本ぐらいのスルーホールがダメっぽいので、パーツの余った足を差し込んでジャンプさせる方法で。

すぐ隣のヒドイ所は、取りあえずレジストを剥がして導通チェック。

あ、思いっきりトランジスタの頭を焦がしてしまいましたorz
替わりがあるので取り敢えずバッテリー下の修復を優先で...
   
バッテリー下のモコモコしたパターンもダメかと思ったのですが、削ってみると意外と綺麗?
削った所にハンダを盛ってパーツの足でジャンプさせます。
基盤面でジャンプさせて、さらにビアにも1本差し込んでハンダ付け

 
裏面のパターンが完全にダメになっていたので、折り返して隣のスルーホールに繋げます。

表に戻って一旦休憩。
そこから抵抗まで伸びているパターンに全く導通がないので、こちらもレジストを全て削ってみました。
もうパターンと呼んで良いのかすら分からない残骸しかなかった...



隣の侵食が酷い抵抗群もついでに交換します。
抵抗3個を取り外してみると、やはり錆びていた真ん中の抵抗のスルーホールがダメそうです。
ん~。ここまで伝播するものなのかぁ...
 

先程の一旦休憩した所の足を曲げて、パターンの一部とします。


  
先に抵抗を取り付けて、回路図に無い後付けっぽい330Ωの抵抗の足でパターンを繋げました。

ゴテゴテして綺麗ではありませんが、何とか素人修理の完成です。



●シルバーマニアのカセットデッキの分解

今回のカセット部分は結構キレイだったので、カセットドライブの整備も少しやっておきましょう。

フロントパネルを丸洗いするので、基盤ごとゴッソリ外しました。

上部に擦り傷が一か所あるものの、フロント部分がこの上なく綺麗なんですよねぇ。
この本体が生き返ったら、取り合えずこのシルバーマニアを使うのもアリかもしれません。
    

カセットデッキはかなり綺麗な状態なので、軽く清掃とグリスアップをして
仮のゴムベルトを付けておこうと思います。


○ゴムバンドベルトの製作
X1センターさんのデータによるとモビロンゴムバンドバラエティー?が使えるようで探していたのですが見つからず。
カールコードを探しに大阪日本橋をフラフラ彷徨っている時に、ふと立ち寄ったダイソーで
見た目は近そうなゴムバンドを発見していました。
サイズを見てなかったのと、X1Cにも使えるかもしれないので折径80と100で太目のものをチョイス。
 
もちろん、これだけ入って108円です。

これの切幅を半分以下にする必要があるのですが、これが結構難しい。
ハサミが切れないからなのか、ゴムがゴツイからなのか真っ直ぐ綺麗に切れません。
このまま使うと他の場所に干渉しそうで少し怖いです。
試しに付けてみると、幅が広いと一番下の電磁ソレノイドや巻き取り駆動用のベルトに干渉してしまいますね。

どうにかならないかと色々考え、綺麗に切る良い方法を見つけました。
両面テープを使い固定する作戦。

内側に貼って。

 
カッティング台にも貼り付ける。ただそれだけw
たったそれだけの事ですが安定性が雲泥の差。
あとは定規でズレない様に抑えてカッターでザックリ切ります。

良く切れる刃でないと厳しいので新品の刃を使いました。完璧っ!(細い方を使います。)


ハサミを替えてみたり細いのを作ってみたり試行錯誤した様子。
少々失敗しても精神的ダメージが少ないのが良いですね。


まだ慣れていないせいか、マニアタイプのベルトが何気に付けにくい...
巻き取り駆動ベルトは適当に引っ掛けて、後からプーリーに入れる感じで
平ベルトの方を意識しつつ取り付けます。
  
この最後の金具の引っかかり(一番右の写真)が意外と曲者w
こちらに気を取られると、平ベルトが外れてしまいます。


こんな感じにベルトがクロスするので、ゴムバンドそのままの幅ではベルトとベルトが干渉してしまうのです。



●シルバーマニアの電源修理を試みる

こちらは電源が入らない様なので一旦バラシてみましょう。
水濡れか何かで完全にショートした可能性が高いので直せるかどうか分かりませんが、少しだけ見てみようかと思います。


基盤表側はかなり綺麗に見えます。
 
ん~。素人目だと結構綺麗なので、外のモヤモヤの原因になった様な大きな液漏れは見当たりません。


「ショートしてヒューズが飛んでるだけなら良いなぁ~」とか思っていましたがヒューズは切れてなさそう。
取り外して導通テストしてみましたが問題ありませんでした。

電解コンデンサだけ交換してみましょう。
本体も含め、長時間起動した感じが無く、液漏れ等はまったくありませんでした。
レッドマニアの電解コンデンサと比較してもこの差。
 
左がレッドマニアのコンデンサ、右がシルバーマニアのコンデンサ。
シルバーマニアは全体的に綺麗な状態と言う事で、かなり早い段階で動かなくなってしまった可能性はありますね。

基盤清掃と電解コンデンサを交換してみましたが回復しない模様。
コンデンサ交換後は橙色の5Vだけ出ているようです。
何処が悪いのか全く見当がつかないので、この電源修理は自分には早すぎるようだ。



●CZ-800C(シルバーマニア)の初動テスト

メインボードの故障が先で、2次的に電源が破壊されてしまったらと考えると別電源で基盤を動かすのは躊躇われますが
このままではどの道レッドマニアもシルバーマニアも動きません。
仕方ないのでレッドマニアの電源を使って、シルバーマニアのメインボードを起動してみましょう。

いざ、電源ON!!

シーン...
しまった、マルチタップのスイッチ入れ忘れてたw


気を取り直してスイッチON!

  
キターーー!!!!!!orz


電源を入れ直しても同じです。

どうやら、どこかの表示系のICがお亡くなりになってる風でしょうか?
自動でイジェクトしない事から、IPL待ち受けまでは行ってないのでレッドマニアと同じ所で止まっているか
それ以前で止まっている可能性が高いです。
しかし、シルバーマニア本体のボタンからのイジェクトが生きている事からカセット制御系は生きてそう。
とするとイジェクトが効かないレッドマニアはIPLの動作がダメでイジェクトしないのではなく
カセットドライブ、カセット基盤、カセット制御系のどれかが壊れている可能性がありますね。

シルバーマニアはレッドマニアより重症の様で、これは素人の自分には手に負えそうもありません。



こうしてレッドマニアとシルバーマニアの2台を見た感じ、起動する個体もそこそこ存在するのでしょうが
マニアタイプでそのまま使って問題無さそうな個体は、かなりレアかもしれません。
ベルト交換ぐらいで済めばいい方で、バッテリーの侵食からのダメージがある可能性が非常に高そうで
ハンダコテを握れない場合は、余命を待つだけになってしまいそうです。
まぁハンダ付けなら当時の中学生で習う事なので、昔を思い出しつつ少し練習すればバッテリーの取り外し自体は可能だと思われます。

しかし、シルバーマニアを見る限り起動時間や保存状態に関わらず周りのパーツにもダメージが及んでいる可能性があり、
状況によっては回路図と現品を見ながら部品を揃えられないと、厳しくなってきそうです。
レトロ機器の特殊なIC関係は基本的に売ってないと思った方が良さそうで
似たものはあるかもしれませんが、同じ型番が無い場合は代替え部品は自力で探すしか無さそうです。


「電源はダメでも、最悪メインボードだけレッドマニアに移植すれば良いやっ♪」
とか簡単に考えていましたが、どちらのメインボードも正常でないとなると色々苦労しそうですorz



つづく

CZ-800C(X1マニアタイプ)の修理-その4

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前回の続きです。


期待の2台目「シルバーマニア」も素人の自分にはどうにもならない状態な様です。
残された方法は
・更にもう1台、起動するCZ-800Cを手に入れてメイン基盤ごと移植。
・レッドマニアにシルバーマニアのパーツを移植してみる。
これぐらいしか思いつきません。

起動する個体からパーツ取りするのは少し勿体ない気がするので
まずはシルバーマニアのメイン基板パーツを使って、レッドマニアの修理を試みます。
修理出来ない場合は、再び不動のマニアタイプを待つしかないorz

その前に、レッドマニアとシルバーマニアの故障個所の違いを比較してみましょう。
キーボードの修理が完了しているので、主にカセットドライブの動作確認などです。


●レッドマニア復活へ向けての挙動テストと考察
まずはソケットに刺さっているICや、カセットドライブのテストをしてみましょう。

○「Z80」 : メインCPU(ボード右下IC77)

これが無いと画面表示すらされません。
しかし、これが無くてもイジェクトは可能です。
だから何だと言う話なのですが、意外とこの様な些細な情報は発信されませんので
故障個所の切り分け用にログに残しておこうと思います。
つまり、「イジェクト出来ます」=「起動します」の式は成り立ちません。(「自動でイジェクトされます」ならOKかな?)
この事から、レッドマニアはZ80CPU以外に問題がある可能性が高いと思います。
・レッドマニアはIPL起動はするがIPL待機まで行かない。イジェクトも出来ない。
・シルバーマニアはIPL起動しているのかすら不明。イジェクトは出来る。

○「IX309CE」 : IPL-ROM(ボード右下、Z80のすぐ上IC76)

レッドマニア、シルバーマニアともに挙動は変わらず。
これが無いと、画面表示すらされません。
レッドマニアのIPL-ROMの故障を疑って、シルバーマニアのIPL-ROMをレッドマニアに積んでみましたが挙動は変わりません。
レッドマニアは一応IPLは動作している風なので、どちらのIPL-ROMも生きているのではないでしょうか。

○「M80C49-22」 : サブCPU(ボード左下IC2)

これが無いと、タイマーランプが付きっぱなしになります。
タイマー制御をこのICで行っているのでしょうか?
カセット制御にも関係しているらしく、イジェクトすら動きません。
レッドマニアはICを積んでいてもイジェクト出来ない事から
このIC周りの回路が損傷している可能性があります。

○「IX0286CE」 : ANKフォントROM(ボード左上IC4)

このICが無いと、画面に文字が全く出ずに画面が真っ白になります。
シルバーマニアは文字が正常に表示されない為に、
最初はフォントROMが壊れて文字が化け化けなのかと思ってましたがそうでは無いらしい。
電源を入れ直す度に表示される文字が少し違う為、一応動いていると思われます。
レッドマニアにシルバーマニアのANKフォントICを付けてみると文字が表示される為、
シルバーマニアの表示がバクっている原因は他にありそうです。

○今回の故障とは関係なさそうなIC(ボード左上)

「MB8416A-15」ソケットに3個。X1センターさんの情報によるとPCG-RAM?の様です。
「AY-3-8910」SOUNDチップの様です。
どちらも起動しない状態では変化がありませんでした。

○「D8255AC-5」 : メインボードに直付けされているIC(ボード左中央IC1)

回路図を見た感じ、サブCPUと一緒にカセット関係の制御をしているのでしょうか?
その他IC10から外部装置に繋がっている感じです。
レッドマニアはイジェクトが効かない事から、このICがお亡くなりの可能性も否定できません。
レッドマニアの最初の方の写真で、足がかなり錆びていたのがこのICです。
怪しいのでテストしてみたいのですが、基盤直付けなのでお手軽にテストとはいきませんでした。

○カセットドライブの制御テスト
レッドマニアのパーツは(R)、シルバーマニアのパーツは(S)です。電源は全てレッドマニアの物でテストしました。
メイン基板(S)+カセット基盤(S)+カセットドライブ(S): イジェクト、早送り、停止、巻き戻し 全て動きます。
メイン基板(S)+カセット基盤(R)+カセットドライブ(R): イジェクト、早送り、停止、巻き戻し 全て動きます。
メイン基板(R)+カセット基盤(R)+カセットドライブ(R): 早送り、停止、巻き戻しはOK。イジェクトのみ動きません。
メイン基板(R)+カセット基盤(R)+カセットドライブ(S): 早送り、停止、巻き戻しはOK。イジェクトのみ動きません。
メイン基板(R)+カセット基盤(S)+カセットドライブ(S): 早送り、停止、巻き戻しはOK。イジェクトのみ動きません。

以上のカセットドライブの検証から、カセット基盤やカセットドライブが悪くてイジェクトされない訳では無さそうで
結局はメインボードの故障個所の違いだけな気がします。
再生はIPL待ち受けからしか動かないと思いますが、レッドマニアのイジェクトが動かないのは” 問題あり ”な気がします。

そしてレッドマニアは改造品で、改造によりメインボードが損傷した可能性も否定できません。
改造個所は、カセット制御基盤の15ピンコネクタ「F」の裏側で

14,15番ピンに同軸ケーブルがハンダ付けされており、現在はその同軸ケーブルが鋭利なもので切断された状態。
コネクタF15は「GND」,コネクタF14は「WRITE DATA」なので、直接データのやり取りをしようとしたのでしょうか?
そんな事が可能なのかどうなのか素人の自分には分かりませんが、他にこの線を繋ぐ理由が思いつきません。



●故障個所の特定と修理

では、メインボードのどこが悪いのか?
まずは、先ほど「問題あり」と判断したイジェクトを直す事から考えてみようと思います。

最初は、IPLが起動完了と同時に自動イジェクトされるのかとも思いましたが
現時点でもIPLが起動しようとしているのは間違いなく、途中でエラーが出ている雰囲気です。
だとすると、「ひょっとするとイジェクト出来ないからIPLが正常に起動しないのではないか?」と考えたからです。

カセット制御の15ピンコネクタ「F」から逆に辿っていくとIC1とIC2に辿り着きます。
IC2はサブCPUで主にモーター制御を担当しているのでしょうか?
IC1はLED表示や、スイッチ判定の入出力と繋がっている気がします。
イジェクトを見てみると、バッテリー直ぐ横のIC20(例のNOT回路っぽいインバータ?)を通って、そのままIC1に繋がっています。

なので、素人の頭で考えられるイジェクトが出来ない原因は
1、カセット制御コネクタFからIC1までの回路の断線
2、IC20の内部損傷
3、IC1の内部損傷
4、IC1と連携している他の回路の損傷
の何れかだろうと言うのが素人判断。

ハッキリ言って4番だと自分にはお手上げ。調べる範囲が広くなって回路を追っても動作が分かりません。
2番と3番なら、ジャンクのシルバーマニアのICを付け変えてみる事は可能(シルバーマニアはイジェクト出来る為)
1番ならジャンパー線を飛ばせば特に問題無さそう。


と言う訳で、1番から順番にテストしてみましょう。
まずは導通テストをしてみた結果、基盤の断線は無さそうでした。
となると、次はICの交換に挑戦してみるしかありません。
怪しいICがいくつかありますが、1個交換する度にテストしていては色々と手間と時間がかかるので
どの道シルバーマニアの復活は難しいと判断して、レッドマニアで怪しいICはシルバーマニアより纏めて移植してみる事にしました。
IC1、IC2の下駄、IC9、IC20辺りですかね。
IC2は交換しても動作は変わらなかったのですが、レッドマニアの方は足が変色していた為、ソケットも交換しておきましょう。

IC1とIC2(サブCPU)の下駄は、足の数が多いですが割とすんなりハンダが吸い取れたので比較的楽に外れましたが
バッテリー周りのIC9とIC20は、以前見て頂いた通り表面が黒化&硬化してしまっていて、なかなか外れないorz
  
何とかIC3個と下駄1個の取り外しに成功。
IC9とIC20は、かなり時間がかかって苦労しました...
ハンダが吸い取れないので、溶かしながらジワジワ足を浮かす方法しか外す手を思い付かず
ボロボロになりながらも何とか外す事が出来ました。頑丈なビアとパターンに助けられた感じですね。

レッドマニアのサブCPUのICソケット内部を見ても怪しかったので、外して正解でした。
   
左2枚がレッドマニアのソケットで、右下が腐食して変色しています。軽く掃除しただけでは全く取れてなかった...
一番右の写真の右側がシルバーマニアのソケット。写真で見ると分かりにくいですがこちらの方が綺麗です。

   
IC9がビア含めて結構ヤバいですが、カセット制御回路に繋がっているIC20の方が今回は関係ありそうな気がします。
IC1とIC2のスルーホールは綺麗でしたが後々黒化してくるのが心配だったので、ハンダを入れ替えました。
一応、パターンの怪しい所は導通チェックしておきます。

慎重にICを取り付けます。

ハンダ不良が無いか点検して、見た目は一応完成♪



●動作テストです。結果は....?

カセット部分はまともそうなシルバーマニアのドライブに、レッドマニアのメインボードと電源を付けてテストです。
 
ドキドキが止まらない!!!



満を持して電源ON!!



うわ~~~~~~~!!!!

!!1!11!111!!!!!

来たぞぉ~!!!

長らく見たかった、マニアのIPL待ち受け画面が表示されカセットデッキが自動でイジェクトされました。
「よーし。ロードテストもするぞぉ!!」
初めて再生ランプが付いたと思ったら、一瞬で消えたorz

うん、ピンボケで再生ランプと認識できないw
再生してすぐ止まる症状は、X1Cではテープエンドスイッチが入りっぱなしか
巻き取り駆動用のプーリーが回っていなくて、テープエンドと勘違いしている可能性があります。

カセットデッキ内部を見てみると、巻き取り駆動ベルトがモーター側プーリーのさらに内側の軸にかかっていました。
どうやら組み付けの時に外れてしまったらしいです。
元々付いていたベルトで張りも弱い為に後々付け替えたい所。

何はともあれ、最大の難所である基盤修理が完了したと思われるため、ホッと胸を撫で下ろしています。
これでダメなら、もう1台ジャンクを買って色々実験するしかありませんでした。

雰囲気も大事と言う事で、折角なのでカセットデッキのフロントパネルをレッドマニアパネルに付け替えてテストを続けます。
 

 
JODAN-DOSのロードテスト。問題ありません。

 
みんな大好き「ゼビウス」です。しかしPCG定義を通過しても画面が表示されません。

はい。G-RAMが必要なのです。G-RAMのないマニアタイプは多くのゲームが動かないのです。
勿論、その事を承知していたためG-RAM付きのレッドマニアを最初に購入したのでした。

G-RAM、合体!!
 
再びロード

あれ?表示がオカシイ気が...まだ完全に直ってないのか、それとも壊れた...?


アプコンの設定を切り替えてみるとタイトルでた!!けど、明らかにオカシイw


しかしこの画面はギャラクシアンがPCG定義でバグった表示になったのに似ています。
なのでアプコンの設定を色々触ってみると「V Position」を調整すると正常に表示されました。


まだ100%ではありませんが、一応の目標は達成です。
長い道のりでしたorz



●少しだけ綺麗にしてみた

  
窓より上だけ艶出ししてみました。

下側に白い擦り傷があります。塗料が付いてる感じなので磨けば色は落とせそう。
  
白色は落ちたけど、一部だけ磨くと光の加減でこうなりますw

  
背面パネルも意外と綺麗でした。

  
光の加減で角のボコボコが目立ちますね。
無理やりゴリゴリやって角を整えた方がマシになるかのかな?

さらなる仕上げは、また別の機会にでも。
現状でも、レトロインテリアとして十分機能するぐらいまでは回復しました。



●まとめ

最初は「無謀な事に挑戦してしまった...」と落ち込んでいましたが
なんとか素人作業でも復活出来たので良かったです。
苦労した分だけ愛着が沸きそうですねw

ICに問題があった様なので、修理と言うよりニコイチに近い形ですが、両方ともメイン基盤がダメな
どうしようもない状態の2台を組み合わせて1台が動くようになったと言う事で、御の字ではないでしょうか。

今回はたまたま運が良かっただけで、同じICが全て壊れている個体に当たっても不思議ではありません。
特にバッテリー周りが今の所2/2台の100%の確率でダメージを負っていて、
サブCPU周りや、カセット制御ボードへと繋がる端子がある辺りなので、ダメージ量によっては修復不可能かもしれません。


○今回のポイント
IPLはBIOSと同じ役割をしていて、電源投入時に各回路のチェックを行っているようです。
その一部でエラーが返ってくると「Please turn on the Power SW slowly again !」と表示されIPL待ち受けまで行きません。
IPLが電源廻りのみをチェックしているのか、IC同士のやりとりもチェックしているのかは自分には分かりませんが
今回はIPL起動時のカセット自動イジェクトか、その辺りの制御 ICチェックでエラーが返された為に起動しなかったと思われます。

IC1とIC9とIC20を交換する事で正常になりましたが、
調べてみるとIC9はタイマー関係のICの様なのでIC1かIC20のどちらかが損傷していた可能性が高いですね。
ただし、ICを交換する前にバッテリー周りの部品も一通り交換しているので
そちらにも一部原因があった可能性は否定できませんが、動いてしまった今となっては確認のしようがありません。

故障の原因ですが、カセットデッキやカセット基盤に問題があった訳では無く、IC自体が錆びやショートなどにより損傷したのか
メイン基盤上のカセット信号線がバッテリー付近を通過する為にバッテリーの液漏れ又は腐食で付近のICが損傷したのか、
同軸ケーブルを繋ぐ改造によりカセット制御関連回路のIC1かIC20が損傷したと思われます。(あくまでも素人判断)


伊藤園さんからコメントを頂けたので記事の増設です。
-------------------------------------------------
「Please turn on the Power SW slowly again !」のメッセージは、
電源リセット後CPU(Z80)がサブCPUに対してキーボード入力時の割り込みベクタ等をセットするのですが、
この時ににサブCPUから応答がなかったりすると表示されるようです。(IPLROMの逆アセンブルの結果)
-------------------------------------------------
と言う事ですので、IC2(サブCPU)とIC1は回路図を見ると隣合わせに書かれるほど関連性の高いICである事は一目瞭然で、
サブCPUがIC1との連携が取れなくてエラーが出ていた可能性が高そうですね。
ちなみに「CPU(Z80)がサブCPUに対してキーボード入力時の割り込みベクタ等をセットするのですが」
の部分は、8割がた理解出来ないズブの素人ですのでご勘弁下さいorz

IPLの動作に関しては中々検索にかからないので、とても貴重な情報を提供して頂いて、ありがとう御座いました。


今回交換したパーツは下の写真の赤丸で囲んだ部品で、ICはシルバーマニアからの移植、その他のパーツは新品を使いました。
ピンク色のトリマコンデンサが安っぽく見えて少し気になるので、気が向いたらシルバーマニアのを移植するかもしれません。
(まぁ気にするほど綺麗な修理でもないのですが...)

こうして改めて見ると、基盤左下の多くのパーツを交換しましたね。
素人修理でよく動く様になったものだと...かなりラッキーだったのかもしれません。


素人修理と言えば、電解コンデンサの交換がレストアの初級作業の様ですが、
一々メモるのが面倒だったり外した場所が分からなくなったりする事もあります。
折角なので自分がメモった電解コンデンサの配置図をペイントに起こしたので貼っておきます。
電解コンデンサの交換を考えている方は”実機と見比べてから”ご利用下さい。
修理メモ枠内は参考程度に留めてください。(X1センターさんの情報を自分用に貼っただけの可能性)

稀にマイナス側のマークが間違っている事もあるらしいのでマイナス側もメモっておけばよかったですねorz

ダラダラと長い修理記事にお付き合い下さり有り難う御座いました。
以上、CZ-800C(X1マニアタイプ)の修理でした。


おわり

X1Cカセットデッキ修理-その6

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X1マニアタイプの修理をしていた時に少し気になった事があったので再びX1C (CZ-801C)です。

X1マニアタイプのテープエンド判定時、カセットは止まっているのにも関わらず
巻き取り駆動用のベルトとプーリーは回り続けている状態になっていました。
X1マニアタイプのテープエンド判定は正常だったのでX1Cでテープエンド判定が正常で無いのは
この辺りがオカシイからかな?と。

写真はマニアタイプのカセットドライブです。
赤丸の「金色の円盤」がフロント側(巻き取り軸を回すゴムリング)に繋がっている軸部分で、
白いプーリーはバネの力で金色の円盤に押さえつけられているだけです。(軸部分は繋がっておらず空回りする。)
プーリーと円盤の間にはフェルト生地の様なものが挟まっていて、一定のグリップ力を保っていてる様です。
巻き取り軸に荷が掛かると(テープエンドで金色の円盤が止まると)白いプーリーが空回りしてモーターの動力を逃がします。

X1Cには金色の円盤の様な物はありませんでしたが、似たような機構があるのかどうかを見ていきたいと思います。



●X1Cのテープエンド判定機構

マニアタイプとは見た目は全然違いますが、何度も見てきたデッキなので大体の想像はついていました。

X1Cの場合、コードの長さやカセットの固定などの関係で、実際に動かしながら裏面の動作を見るのが中々難しく、今まで気が付きませんでした。
見るからに、それらしいバネが有りますよねw

何とか動かしながら裏を見れる状態にして、巻き取りプーリーにだけ注目して見てみると
テープエンドになると巻き取り用のプーリ自体が停止してしまって、そこにかかるベルトが滑る状態になっています。
これ、ちょっとオカシイですよね。プーリーのベルトが滑る前提なんて...

とするとX1Cのプーリーにも本来、マニアタイプ同様の
クラッチ機構(荷がかかるとワザと滑ってプーリーが空回りする構造)が、あるのでは無いか?と思いました。

マニアタイプの巻き取り用プーリーは押さえると動くのでクラッチ機構が分かりやすかったですが
X1Cの場合、バネが外側に付いている為、どうやら引っ張るとフリーになる様です。
クラッチ板に当たる部分が内部に隠れてしまっている為、全く気が付きませんでした。

赤丸が巻き取り駆動用の動力伝達プーリー。緑丸のバネでプーリーを押さえつけています。
プーリーのスグ下にはマニアタイプの金色円盤と同じ様に軸に繋がった円盤が隠れています。

ベルトのグリップ力が低いかクラッチ機構が固すぎると、このクラッチ機構が作動しない為
プーリー上でベルトが滑り、他のプーリーでも滑りを誘発するのか回転速度が極端に落ちる為に
テープエンド判定が遅れる又は判定してくれない原因になっているのかもしれません。
X1Cのテープエンド判定機構と言えばこの場所ですね。

テープエンド判定のプーリーはベルトがかかっているので常に回転しているのですが、
テープエンド状態になって一定回転するとスイッチが入り、自動で読み取りヘッドを下ろして停止します。
ベルトの滑りにより、その一定回転に達するまで時間がかかってしまっている(もしくは回転しなくなっている)感じでしょうか。



●クラッチ機構のグリスアップとベルトの交換

クラッチの当たり面自体をグリスアップしてしまうと、通常時も滑ってしまう可能性がある為
プーリーの軸だけグリスで拭いて、クラッチ板とプーリー面は清掃スプレーのみに留めます。
何度もクラッチを切り離して軽く動く様にする必要があるのですが
バネが結構硬いので動かす時にプーリーが割れてしまわないか心配でした。


折角バラしたので、ベルトを違うものに交換してテストしてみましょう。
モーターからのフライホイール間の最終型自作ゴムベルト(天然ゴム系)でも特に問題なかったのですが
ゴムシートからの切り出し平ベルトは作り変えが結構面倒なので
以前入手した応急修理用のゴムバンドベルトを試してみます。
こちらも天然ゴム系で耐久性はありませんが切り出し自作ベルトよりもマシだと思われます。


写真右が新たに作ったゴムバンド平ベルトで
折り幅100mmのゴムバンド(ダイソーにて購入)をX1マニアタイプ(CZ-800C)同様に縦割りしました。

再度、各部グリスアップと清掃。
そして組みなおして動作テストしてみると

「うぉ~!テープエンド判定がめっちゃ早くなった!」

さらにもう一つの不具合「テープエンド判定後にさらにエンド方向に送るとバグる」症状も無事に改善。
やはりベルトが滑ってた事により、テープエンド判定がおかしかった様です。



●まとめ

どうやらカセットデッキには、形は違えどコノ種のクラッチ機構が必ず付いているようで
これのお陰でテープエンドになってもテープが千切れないんですね。
裏を返すと、クラッチ機構が固着している状態で、強烈なグリップ力のベルトを使ってしまうと
カセットテープが切れてしまう原因にもなるので気を付けた方が良さそうです。
時々、カセットテープの留めが割れて外れているものを見かけますが、
カセットテープのプラスチック自体が弱っている上、
このクラッチ機構が固着している場合に割れてしまい易い可能性はありますね。

ゴムバンドベルトも最終型自作ゴムベルトも、今の所は滑りなどは全く無く快調な様です。
何年持つかは分かりませんが、応急用としては十分使えると思いました。

これで、30年前のX1Cのカセットデッキが、やっと100%の状態で稼働するようになりました。
これもマニアタイプを触ったお陰で「経験値は重要!」って感じなのでした。



関連記事:~X1Cカセットデッキ修理
        ~X1Cカセットデッキの命日?
        ~X1Cカセットデッキ修理-その2
        ~X1Cカセットデッキ修理-その3
        ~X1Cカセットデッキ修理-その4
        ~X1Cカセットデッキ修理-中間まとめ
        ~X1Cカセットデッキ修理-その5

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